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UPDATE: 2017年04月26日

ESTV. #62 MARKAWARE 2017SS デザイナーインタビュー

ES-WEBが配信する動画コンテンツ「ESTV.」­。
第62回は「MARKAWARE 2017SS デザイナーインタビュー」。

 

4月22〜23日にESSENCEで開催されたMARKAWARE / marka / Utility Garmentsのポップアップショップ。初日にはデザイナーの石川俊介さんが来店されました。その時に2017SSに関するいろいろな質問をしましたので、ぜひご覧ください。
動画がご覧になれない方のために、下にはテキストも掲載しました。移動中や音声を出せない方はこちらをご覧ください。

 

ARTIST : Sooko
TITLE : Concierge
URL : https://soundcloud.com/sooko/concierge
CREATIVE COMMONS : CC BY 3.0

 

ARTIST : Onda Suave
TITLE : We Live In Different Worlds & That’s How It Will Always Be
URL : https://soundcloud.com/ondasuave/we-live-in-different-worlds-thats-how-itll-always-be
CREATIVE COMMONS : CC BY 3.0

 

ARTIST : BVSMV
TITLE : The Lights Go Passing By
URL : https://soundcloud.com/bvsmv/the-lights-go-passing-by
CREATIVE COMMONS : CC BY 3.0

 
 
 

ONLINE STORE ES-WEB MARKAWARE

 
 
 
 
 
 

モノ作りは徹底し、時流に見合ったシルエットとデザインを、デザイナーのフィルタを通して発信していく、最新MARKAWAREの哲学。

 
 
 

2017SSは「LEARNING FROM JAPAN」というテーマのもと、素材や原料の追求を更に推し進めていますね。アップデートは具体的にどんな所に表れているのでしょうか。

 

石川「2017年の春夏シーズンから、まずコットンは全部オーガニックコットンに切り替えました。ウールは以前から使っているアルゼンチン産のオーガニックウール、っていう風になるべくよりサステイナブル※な素材に切り替えていくことをやって、そこに今回は『LEARNING FROM JAPAN』というテーマを設けたんで、日本が古来から使っている素材としてヘンプとペーパー(和紙)を足してくる感じでしたね。ヘンプも和紙もコットンよりもっと古くから日本に根付いている素材なので、日本らしいものとして足しています。基本的に全部天然素材由来のもの。天然素材をそのまま使ったものと、和紙みたいに天然素材を一旦紙に漉く形で作ったものにしたんです。春夏らしい良い素材ができあがったと思っていますね。ペーパーにしろヘンプにしろ、非常に涼しい素材ですし、今まで使っていた素材とちょっと違う清涼感が出せたと思っていますし、デザインも日本的なエッセンスの取り入れ方とかも含めて新しい感じが出せたんじゃないかなと思っています」

 

※サステイナブル…地球環境を考慮した、持続可能な生産・開発を指す

 
 
 
 
 

今回のルックはテーマに沿った「和」な着こなしが独特です。ブランドとしても全体的にゆったりしたシルエットに完全に移行しましたね。スタイルの変化やポイントについてお聞かせください。

 

石川「自分の中でシルエットというのはその時々に合わせて変えていくべきものなんだろうと思っているんですね。僕が洋服を作っていく上で一番重視しているのはモノづくりの部分なので、そのモノづくりを楽しんでもらうためにはその時々に応じたシルエットで出してあげるのが良いのかなと。あくまでやっているのはファッションだと思いますので、シルエットを変えることによって目新しい発見があるのが面白いと思っていて、なるべくなんらかの変化を加えるようにはしていきたいと思っていて、今シルエットを大きくしています。これは完全に僕の好みの問題として、『和』なテイストはここ数年凄く気になっていました。もともと20代半ばくらいからずっと好きなテーマの一つでもあったので形として出してみたかったなと。その時に禅僧、お坊さんみたいな所がイメージとして湧いていて、そういう人たちの格好を見た時にはワイドシルエットにするのが一番表現しやすいし、ワイドシルエットの洋服を作りたいと思っていたこともあって、自分の頭の中ですんなりと腑に落ちてくれた感じがしたので、ボトムスの太いシルエットとかトップスのストンと落ちるシルエットっていうのを入れていった感じですね」

 
 
 
 
 

軍モノが得意なブランドだけあって、MA-1やジャングルファティーグなど元ネタがしっかりしている商品がとても多く再現度・完成度も非常に高いのはご周知の通りですが、和服を感じさせる洋服はどのようなところからインスピレーションを受けているのでしょうか。また「洋服」として見せる落とし所はどんなところにあるのでしょうか。

 

石川「元々僕もモノを忠実に作って、それをシルエット変えたりしてアイテムとして完成度を高めていくのが凄く得意で。今回のモノづくりも自分の中ではそんなに大きな違いがあるとは思っていなくて。実は見せ方としては『和』にしているんですけど、一点一点に関しては全部『洋服』だと思っています。一番分かりやすいのは『JAPANESE DINNER JACKET』で、ここ(首周り)に切り替えがあるんですけど、アレなんかは完全に洋服の作り方。中に毛芯※入っていますし、立体的な裁断にしていますし、完全に洋服の世界のものなんです。ただ、襟を直線にしてあげる、切り替えを入れる、フロントボタンをなくすということだけで『和』な雰囲気を出しているものなので、あくまで作っているモノは洋服の作り方を忠実にしているつもりです。シャツとかもそうですし、ほとんどのアイテムがそうです。『JAPANESE CARDIGAN』は少し直線的なパターンを意図的に取り入れるようにしていますけど、基本的には全部『洋服』なんで、それがトータルで重なった時にどう『和』に見えるかということを考えてやったつもりなんですね。なので、ルックを見ていただくと和服なイメージがあるかもしれないですけど、『和』の作り方をしているものは一つもないですね。完全に『洋服』なんです」

 

※毛芯…表地と裏地に挟まれた薄いフェルト地。高級品は主に馬の毛で作られる。簡易的に挟む接着芯と違い非常に手間がかかる分、薄くてもヨレずにキリッと上品に仕上がる上、通気性が良く劣化が少ない。

 
 
 
 
 

2017SSで石川さんが特におすすめするアイテム、実際によく使っているアイテムは何でしょうか。その理由もお聞かせください。

 

石川「着ているんで一番分かりやすいのが、このペーパーのシリーズだと思うんですけれども。この素材自体は2016年に発売して凄く評判の良かったものなのですが、世界中探してもこれを編める工場っていうのは日本にしかない吊り編み機を使って編んでいますんで、日本にしかないと思っていますし、和紙という日本らしい素材を日本に残っている良い技術で編んでもらった素材なんで、まず素材が本当に素晴らしいと思います。で、涼しいですし、これを羽織るだけでTシャツだけじゃ寂しい時期でも、ちょっとカチッとした雰囲気になってくれますんで、非常に便利なアイテムだと思っていて、まずコレ凄くおすすめです。あとはやっぱり太いパンツにチャレンジしていただきたいなと思っていまして。今シーズンのコーディネートのキーになっているのが太いパンツだと思っているんですね。それにサンダルを合わせていただくと一気に『和』な雰囲気にもっていけると思っています。ウール/ヘンプとかコットンチノとか、それぞれ素材によって太いパンツも表情が変わってきますので、それを楽しんでもらえると面白いかなと思います」

 
 
 
 
 

これは毎回聞いていますが今ハマっていること、関心事があればお教えください。

石川「ヴァナゴンは相変わらず楽しいですし、こないだもなんにも関係ないですけど、普通に家帰ってヴァナゴンで寝ようと思ってヴァナゴンで寝たりとか(笑) 展示会が続いていてなかなかどこかに出かけたりできなかったんで、ヴァナゴンの中で寝たりとかヴァナゴンの中で飯作ったり相変わらずしているのと…また漆器系が面白いんでまた漆のものをちょこちょこっと増やしたりとか…持っていたものの色違いを買ったりとかっていうレベルなんですけど、そういうもの増やしたりとかですね」

 

※ヴァナゴン…フォルクスワーゲンの『タイプ2』という車種の俗称。『VAN WAGONU(ヴァン ワゴン)』が訛ってヴァナゴンに。

 
 

洋服は買っていないんですか?

 

石川「いやあ…洋服を買うことが大分少なくなっちゃっているんで、これからまた買おうと思ってます。今からハマろうとしてます。最近古着とかあんまり見ていなかったんですけど、古着も今まで見ていなかった古着を見るのが楽しいなとは思ってて。知らない古着をいっぱい集めたいんでこれから古着にハマりたいと思っていますね、もう一回。やっぱ洋服買っていないと新しい情報入んないなと思っているんで、古着屋巡ろうと思っています」

 
 
 
 
 
 


 

 

 

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