ES-WEBで取り組んでいるブランドの中でも、ダウンジャケットに特化しているブランドが3つあります。
それが、ゴールドウイン、ナンガ、ウールリッチです。それぞれのブランドがダウンジャケットを得意としていますが、実際に手にとって見てみるとアプローチの仕方は全然違います。それにファッション性の違いやスタイルの方向性も違ってきます。
どのブランドも素晴らしいダウンジャケットですが自分の生活にマッチするダウンジャケットはどれなのか、解説とスタイルサンプルを交えながらご紹介します。

 
 

似ているようで実は全然違う、ブランドごとのダウンジャケットの特性を知ると自分にぴったりな一着が見つかる特集です。

 

【Goldwin】

ゴールドウインは2016年よりブランドとしてスタートしています。ブランド化にあたっては今までゴールドウインが培ってきたアウトドア(特にスキー)のノウハウをもとに合理性、快適性、利便性とともにシンプルなデザインでアウトプットすることを信条としています。
ロゴには「W」のようなエレメントが3つ配置されていますが、スキーの軌跡・スピード感、自然や山のシルエット、躍動感・エネルギーを象徴しているそうです。

 

ちなみにあまりガッツリ公表しているわけではありませんが、ESでも人気ブランドとなっているマーカ、マーカウェア、テクストのデザイナー石川俊介さんがディレクターとしてデザインに携わっています。ですから過酷な環境下での合理的なデザインに加えファッション性にも優れているのがゴールドウインのアパレルというわけです。

 
 

 

イチオシはフーデッドシュプールダウンコート

 

ESで3つ買い付けているうち、特におすすめしたいのがフーデッドシュプールダウンコートです。
表面に凹凸の少ないデザインで、ポケットのフタとなるフラップも外からボタンが見えないほど控えめでミニマルに作られています。フラップを開くと止水ファスナーでポケットにアクセスできるのですが、徹底して雪の侵入を防ぎたい意思をビシバシ感じさせるところが男心をくすぐります。

 
 

 

ダウンの特徴

 

厚みがあるもののボリュームが出すぎていないダウン。
ダウンジャケットの一般的構造である「バッフル」というのものがあります。ダウンの偏りを防ぐため、ダウンの部屋を段々に分けているあの構造のこと。ダウンジャケットらしくアレはアレで可愛らしいのですが、フーデッドシュプールダウンコートは外側からは一切のバッフルが分かりません。というか内側からもよく分かりません。ただ、内側をよーく触ってみると一定の間隔で生地が圧着されていることが分かります。つまりバッフルはあるけど見た目からはよく分からないようにできているため、よりシンプルでボリュームを抑えることができミニマルな雰囲気を高めているというわけです。それに縫い目が内側にないため、水の侵入する箇所が減っていることになります。

 
 

使われているダウンは珍しいことにレーヨンが混ざっています。これは「光電子®」と呼ばれる高機能素材。人から出る遠赤外線を保温し暖かさをキープしながら、汗などによる冷えは解消してくれるすごい素材。汗をかくと湿度が上がるのですが、それをも抑え衣類内の温度を維持するすごい素材。それをダウンに混ぜているんです。
ダウンの配分も考えられていて、効率よく保温できるために背中中心部分の量が多め。

 
 

 

生地はゴアテックス 2レイヤー

 

雪山では欠かせないゴアテックスもバッチリ使用しています。改めてお伝えしますと、ゴアテックスは外側からの水の侵入は防ぎながら内側からの汗などの蒸気は外に逃げていく、しかも劣化しないというトンデモ素材です。フーデッドシュプールダウンコートでは2レイヤーのタイプを採用しており、縫い目からの染み込みを防ぐシームシーリングはされていないものの、柔らかで動きやすく高い防水性・防風性・透湿性をもった街着にも適した仕様です。

 
 

その他の工夫

 

・ウェアの生地に直接ドローコードを繋ぎ合わせ、素早くフィット調節ができる「Cohaesive®システム」。
・手の甲を覆う曲線状のカフス(袖口)
・フリース生地を内側に使った手触りの良いハンドウォーマーポケット
・フードが風でバタつかないようにマグネットで固定
・首から風が入りにくいダウン入りの内襟
・口元まで覆うことができる高い立ち上がりのフード
など

 
 

 

スタイリング例

シンプルでスッキリしたルックスを活かしたいので、あまりごちゃごちゃさせずモノトーンで合わせたり、デザイン性の少ないものを合わせるのが最適です。
例えばインナーはプレーンなセーターやスウェットやシャツ。柄物を控え無地のものかワンポイント程度で留めるのがセオリー。ただ、全身同じトーンで揃えるならインナーに差し色を持ってきても○
パンツはスリムなものからワイドパンツまで合いますが、デニムパンツやベージュのチノパンを何も考えず合わせるといかにも普通に落ち着いてしまうため、避けるか色合わせをキチッと考える必要があります。
シューズはスニーカーでも革靴でも良いですが、ゴツめのものよりもオーソドックスなものの方が合わせやすいでしょう。低めのシューズもよく合いますしハイテクスニーカーも相性が良いです。ゴツめのタイプを選ぶなら1トーンのものを選ぶと良いでしょう。
最もかっこよく使えるのはやはりモノトーンのスタイル。ハイテクっぽいダウンジャケットのデザインですので、似合わないわけがありません。

 


身長170cm、体重57kg。サイズ…M

 

フーデッドシュプールダウンコートを見る

 


 

【WOOLRICH】

1830年にアメリカのペンシルバニアでイギリスからの移民だったジョン・リッチ2世が創業した毛職工場が始まり。すんごい歴史の古い衣料メーカーです。アメリカ最古のアウトドアブランドとも言われています。つまりウールリッチを着るということは歴史を着ると同義。良質な服の代名詞と言えますね。アメリカらしいシェイプされすぎないシルエットもファンが多く、アメトラ好きにとっては冬の決定版かもしれません。
故にトレンドに全く左右されないブランドの強度があり、いつの時代も「良いダウンジャケット」として使えるまさに一生モノ。タフで暖かくてデザインは完成されきっているのは、買う側としては安心感が絶大です。
サッカーチームの名門、ACミランのベンチジャケットとして採用されたこともあり、人気が爆発したとよく言われています。
2019年に入ってロゴも刷新。これまた代表作であるバッファローチェックをアイコン化したもので、ゴシックタイプの今っぽいデザインに変わっています。

 
 

 

イチオシはアークティックダウンパーカ

 

ウールリッチの代表作であるアークティックパーカは1972年に誕生しました。当時は作業着として生まれた経緯があり、極寒地仕様がデフォルト。アラスカのパイプラインを建設するためマイナス40℃の環境に耐える必要がありました。実用性に特化しているため、日本の冬の街では十分すぎるほどの暖かさを保ちます。いわゆるワークウェアをルーツにもったダウンジャケットで、それを街着として使えるように仕上げてあるのがコレです。

 
 

 

ダウンの特徴

 

ダウンとフェザーの配分は比較的スタンダードなタイプの650フィルパワー。良質なダウンとされる基準レベルです。
このダウンジャケットもバッフルが表からは見えないような作りをしており、スッキリと見せていますね。裏地を見ると総ロゴ仕様になっていて、バッフルも見えています。偏りはしっかり防いでいるようです。

 

中わたには「プリマロフト」も使われています。プリマロフトはダウンに代わるマイクロファイバーの素材で、羽毛のように暖かく軽く、羽毛にはない撥水性があるため、濡れやすいものに使われることも多い素材です。ただアークティックダウンパーカの場合はダウン90%、フェザー10%。どこに使われているのだろうと調べてみるとなんと襟の中に使われていました(上画像)。
襟元は隙間風が通りやすく、首の動きによってダウンが潰れがちな部分でもあります。それになんと言っても汚れやすい箇所。ここにプリマロフトを使っておりファスナーで取り外しもできるため、単品で洗うことも可能になっています。

 
 

 

生地はゴアテックス インフィニアム

 

こちらもまたゴアテックスを使用。もはやESでは春夏も秋冬もゴアテックスは欠かせない要素のひとつとなっていますね。
紹介したゴールドウインのものと違ってこちらは「ゴアテックス インフィニアム」を採用しています。2018年に登場したゴアテックス インフィニアムは、従来のゴアテックスと違って防水性に特化したものではありません。防風性や透湿性はそのままですが、防水性を高めるメンブレンの構造ではないため、より薄くより運動性に長けた生地が作れます。また、撥水機能をもたせた表地を使うため、防水性を謳っていなくとも雨雪にはある程度の対処ができる点でも、今までのゴアテックスとは違っています。ちなみにこちらのインフィニアムは同時にゴアテックス ウィンドストッパー名義でもあり、どちらの要素ももっています

 

その他の工夫

 

・襟が取り外せ洗えるプリマロフト
・取り外し可能なファー
・スナップボタンの前立てを開くと出てくる隠しポケット
・防風性を高めるための袖の中のもうひとつカフス
・濡れたグローブなんかを忍ばせておけるスナップボタン付きでギャザー口の内ポケット
など

 
 

 

スタイリング例

ミドル丈で襟も高くボリュームもあるシルエットで、何より昔から大きな変化をさせていないクラシックな佇まいを活かせるよう、大人っぽさを意識すると良いでしょう。トップスならハイゲージからミドルゲージのシンプルなセーターやシャツ。タートルネックも良いですね。ネクタイを締めたタイドアップのスタイルには本当によく合います。ですからスーツで普段お仕事をされるような方ですと、アークティックパーカってバッチリなんです。
スリムなパンツやスラックスも良いですし、デニムパンツもすっきりめならアリ。チェックのシャツやパーカ、スウェットなどはコテコテのアメカジになりすぎてしまい、そちらに精通していない人が安易にやるとチープに見えてしまうので、注意が必要です(逆にアメカジに精通している人は本当に上手に使うなと感心します)。
ポケットのカットも直線的なため、より男っぽくかっちりとした印象を与えてくれます。ぜひ真冬のビジネスシーンでもお使いください。

 


身長180cm、体重65kg。サイズ…M

 

アークティックダウンパーカを見る

 


 

 

【NANGA】

もともとシュラフやスリーピングバッグ(要するに寝袋)メーカーとして誕生したナンガは、ダウンの使い手といって過言ではありませんが、国内生産にこだわるという側面ももっています。ダウンといえばヨーロッパが有名。そちらのダウンを輸入してから国内羽毛加工メーカー「河田フェザー」で洗浄。ゴミや汚れやにおいを徹底的に除去しています。もちろん縫製も国内です。
ダウンジャケットが有名になったのはここ最近という感じがしますが、実はメーカーそのものは1941年から創業している老舗で、最初は「横田縫製」という名で寝具メーカーとしてコタツ布団などを作っていたそうです。その後にその生産技術を活かして寝袋の生産を開始します。何度か改名を経て1995年から「ナンガ」としてスタート。その名はヒマラヤ山脈にある山「ナンガパルバット」に由来します。過酷な山に立ち向かう意味で名付けられ、1999年からは自社生産品のスリーピングバッグは永久保証まで行っています。しかも修理は無料!(条件等、詳しくは公式サイトをご覧ください)
天然の産物であるダウンを資源として無駄にしないため、ダウン製品の回収などの取り組みも行っているのです。そもそも日本で寝袋を作っている(国産)のはナンガだけなんです。

 

これらから考えられるのは決してファッションとしてダウンを扱っているのではなく、身を護る暖かいダウンを提供したいという想い。街中で使えるくらい見た目の良いジャケットが揃っているものの、品質の高いダウンジャケットを作っていることが前提なんですね。

 
 

 

イチオシはオーロラダウンジャケット

 

ゴールドウインともウールリッチともアプローチの異なる「オーロラテックス」と呼ばれる機能素材を使ったダウンジャケットです。防水性・撥水性・防風性・透湿性に優れたダウンジャケットで、ファスナーには止水タイプを使用しているため、雨雪への防御力が高い一着。バッフルは中に見えるものの外側はサラッとした顔で非常にシンプルなデザインが特徴。癖がなくスタイリングがしやすいのもオーロラダウンジャケットの利点で、クオリティに反して5万円以下で手にできるところもまた魅力。
サイズによって違いますが、約200gと非常に軽いのも着込む季節にはありがたいポイントですね。

 
 

 

ダウンの特徴

 

先程も述べたように、ヨーロッパから取り寄せた羽毛を国内で洗浄加工し、最上級のクオリティで世に出しています。温度・湿度の調整機能が極めて高く、丈夫で長く使えるもの。そして推奨しているご家庭での洗濯。ネットに入れて「毛布洗い」で回せば洗濯ができちゃいます(他のメーカーのダウンはそれぞれの情報をご確認ください)。脱水せず手絞りで陰干しし、羽毛をよくほぐすことでしっかり回復してくれます。頻繁に洗う必要はないということですが、1シーズン使ったら洗いましょう。
そしてコストパフォーマンスにも優れ、ほとんどのダウンジャケットがどんなに高くても5万円台というのが、多くのユーザーを引きつける要因でもあります。ダウンに特化したブランドながら、これだけのクオリティをこれだけのプライスで提供できているのはホントに不思議でなりません。

 

クオリティが高いが故に、過去にマーカウェアではNANGAに別注したダウンベストが定番として展開されていたこともあります。異常に軽く暖かいベストで人気を博していました。また、現在もF/CE.はナンガに別注したダウンジャケットを展開中です。F/CE.のデザイナーである山根さんのフィルタを通したナンガのインラインにはない「旅」というキーワードをもとに、ディテールやデザインを取り入れ、シックに仕上げたダウンジャケットは毎シーズン好評です。

 
 

 

生地はオーロラテックス

 

オーロラテックスはナンガオリジナルの機能素材で、当初は「雨水に強いシュラフを」という声から開発がスタートしました。生地表面はポリウレタンコーティングされたことで撥水性が高まり、防水性もありながら、内側から発生する蒸気を外に逃がす透湿性も兼ねています。キャンプなどのアクティビティを想定したブランドのため、実用性は申し分ありませんが、タウンユースをも視野に入れたデザイン性の高さ、勝手の良さとの両立がナンガの人気の秘訣とも言えるでしょう。他にはなかなかないカラー展開も選ぶ楽しみがあります。
近くで見てみると、オーロラダウンジャケットの表生地は引き裂きに強いリップストップナイロンを使っていることが分かります。ちなみにズームアップした画像はイエローのものを使っています。

 

その他の工夫

 

・グローブをしたままでも上げ下げしやすいファスナーの引き手
・上下どちらからでも開閉できる腹部のポケットのダブルファスナー
・高めのツバが内蔵されたフード
・両胸の内ポケット
・ダウンジャケットの中では比較的ボリュームを出さないシャープなシルエット
・ラグランスリーブ仕様で肩周りの運動性を確保
など。

 
 

 

スタイリング例

 

デザインに癖がなく、スタイリングの融通はダウンジャケットの中でも随一と言っても良いほどなんにでもよく合うジャケットのため、「コレ!」とこだわる必要もありませんが、せっかく他のダウンジャケットと比べてスッキリとしているので、着ぶくれするほど着込んだりせず、あくまでスッキリとまとめるのが良いでしょう。と言っても中にさほど着込まずとも十分に真冬を過ごせるくらい暖かいダウンですから、薄手のニットやスウェット、シャツ、カットソーでも極寒の地でない限りは大丈夫。
一方でストリートらしい使い方もできます。カラーダウンを使いながらフードオンフードのようにパーカをインナーにしてみたり、全体的にオーバーシルエットで作ってみてもいけます。バックパックを背負ったりしてももたつきが少ないので、自転車乗りにもおすすめです。キャップにチェックシャツにディッキーズのパンツみたいにワークスタイルも相性良し。スリムなデニムパンツやアンクルカットパンツも非常によく合います。
ベタにチノパンにスニーカーみたいな格好もスッキリめのシルエットのダウンジャケットならバランスが崩れません。
どちらかと言うとショート丈ですから、ロングシャツのようなインナーの裾が出るものを合わせレイヤードを楽しむのも良いでしょう。
スリムなシルエットを活かしてサイズアップし、極端なオーバーサイズを選ぶのも今っぽさが出て良いですよ。裾はドローコードで絞って丸くバルーンシルエットを作っても着こなしが楽しめます。

 


身長170cm、体重57kg。サイズ…L

 

オーロラダウンジャケットを見る

 
 
 
 
 


 

ひとえに「ダウンジャケット」と言っても、ブランドによってこれだけ違ってきます。地域やファッションの好みやブランドの背景などを考慮しながら選ぶと、今まで以上に自分に見合ったダウンジャケットが手に取れるようになるはず。
まだまだたくさんのダウンジャケットをご用意していますので、ES-WEBまたはESSENCEでご覧いただければ幸いです。

 
 
 

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