見るからに使い勝手の良さそうなnonnativeのゴアテックス搭載STUDENT JACKETをレビューします
こんにちは。Nです。
41thコレクションのノンネイティブのアウターを買いました。シリーズとしてもちょっと久しぶりに感じるSTUDENT JACKET。既にシーズンカラーのブラウンは完売してしまっていますが、私が買ったのはネイビーの方ですので、実際に着る季節はもう少し先ですが、買ったジャケットを詳しく見ていきます。
さらに、今回ゴアテックス インフィニアムについてゴアさんにお話を伺いましたので、この辺りも復習を兼ねてしっかりお届けします。
以前登場したライン入りリブのNN-J4113 STUDENT JACKET COTTON HIGH TWIST TWILL WITH GORE-TEX INFINIUM™(完売)と同デザインでラインなしのタイプ。かつ、コットンツイルからコーデュラナイロン混紡のリップストップに変更されたモデルです。素材自体はポリエステル/ウール/ナイロンの組成ですね。
ちょっとスーツっぽいキレイな生地感ですが、リップストップですとミリタリーな味付けになりますね。
ノンネイティブの「STUDENT」はアイビーやトラッドのスタイルをベースにしたシリーズで、品のあるアイテム展開が多い印象があります。
STUDENT JACKETはいわゆるアワードジャケット、スタジャン、バーシティジャケットと呼ばれるデザインをベースとしたスポーツ軸のアウターであることが多いですが、かつてはラペルのジャケットのパターンも存在しました。
肩にダーツを入れてあり、立体的に体のラインに馴染むラグランスリーブ。少しゆったりしたカタチなんですが、トレンドであってもそうでなくても時代を超えて使える万能シルエットです。スタジャンと考えると珍しい、裾リブを排除してスピンドルを入れたアレンジデザインです。上がスタジャン、下がコーチジャケットのハイブリッドといった具合でしょうか。
スタジャンはもともと裾リブですからフォルムは締まった印象になるのですが、今回のモデルではリブじゃなくスピンドルですのでブラウジングが可能。前述の通りコーチジャケットっぽさもありつつ、今らしいアウトドアアウターの雰囲気も感じさせるディテールワークです。秋になれば風も冷たくなってきますから、侵入する風を防ぐ意味でも効果的です。
スタジャンですと心もとなかった腹部のポケットの深さも現代に合わせて深めにされており、スマホを入れても落下しづらいくらいにはなっています。そもそもスタジャンって着丈が短いので必然的にスレーキ(ポケット袋)を深くできないんですが、これは着丈がやや長めに調整されボタンも付いていますのでその辺は心配不要です。
裏地は薄手のフリースっぽい生地。保温性抜群!と言えるほどの厚みはなく、夏は厳しいですが基本的に通年使えそう。
ポケット袋は共通してNOMA t.d.のファブリックでした。フロントポケット以外には左胸内側にポケットがあります。こちらは大きめのスマホを入れるとボタン留めはできませんでしたが過不足ない収納力です。
表地に使われているリップストップはナイロン糸を含んでいるせいかツヤっぽさもあります。生地表面はツルツルしておらず、細かなザラつきがある風合いです。ブロードシャツほどの生地の厚みで硬さは感じません。
コーデュラナイロンは25%の混紡率で全体の4分の1ほど使われており、しっかり生地の強度を上げてくれています。
広く普及していますのでご存知の方も多いと思いますが、インビスタ社が作るコーデュラは一般的なナイロン同様の軽さも保持しながら約7倍の強度をもつと言われ、摩擦や擦れ、引き裂きといったダメージに強いのが特徴です。
と、ここまででも十分に使いやすそうなポイントがたくさんありましたが、やはりゴアテックス インフィニアムが使われている点は大きいです。これによって秋冬の活躍する出番は非常に多くなると見込んでいます(新潟はコレ一枚だとさすがに越冬できませんが、インナーダウンを着込めばいけそうです)。
ゴアテックス インフィニアムについては以下を参照してください。
ゴアテックス インフィニアムには「インフィニアム」、「インフィニウム」と表記の揺れが散見されますが、ゴールドウインやアークテリクスで「インフィニアム」と表記していることが確認されていますので、「インフィニアム」が正しいのだと思います。
上の記事を書いた頃はまだインフィニアムはデビューしたてで、どういった展開をしていくのかが予想でしかありませんでしたが、その後の活躍を見ると街使いはもちろんたくさん出てきましたし、シリアスなアウトドアウェアでもたくさんありました。
そして上の記事を書いたあと、GORE-TEX WINDSTOPPERは消滅しましたね。その代わり、GORE-TEX INFINIUMブランドに吸収される形となり、現在はGORE-TEX INFINIUM WINDSTOPPERとして継続されています。
今回この記事を書くにあたり、直接ゴアさん(正式には日本ゴア合同会社)にコンタクトをとりました。
そこで得た情報を皆さんにお届けします。
ゴアさん、ありがとうございました!
まず、「ゴアテックス」というのはブランド名であり製品名ではない、とちょっと目からウロコなことを言われました。いや、知ってる人もいると思いますし、よく考えればそうだなとも思うんですが、ちゃんと聞いてみるとブランド構造はハッキリしてきました。
「ゴアテックス」には「ゴアテックス」と「ゴアテックス インフィニアム」の2種類のブランドがあります。
「ゴアテックス」ブランドの方には「ゴアテックス」という製品があり、これがよく見る防水防風透湿性をもったメンブレンです。その他に「プロ」「パックライト」「シェイクドライ」なんて付く製品もありますね。
一方「ゴアテックス インフィニアム」ブランドには「ゴアテックス インフィニアム」という製品は存在していません。
2022年8月現在の時点でウェアに使用される「ゴアテックス インフィニアム」は例外なく全て「ゴアテックス インフィニアム ウインドストッパー」と正式に回答いただきました。
図解するとこんな具合です。
ゴアテックスとゴアテックス インフィニアム、それぞれがブランドとしてあり、ブランドのプロダクトにゴアテックスやゴアテックス プロ、ゴアテックス インフィニアム ウインドストッパーがぶら下がっている、といった構造です。インフィニアムにはウインドストッパーしかない、ということだけ分かると途端に理解しやすくなりますね(図は「ガーメント」と言ってウェアに関するものだけで絞ってます)。
ゴアテックス インフィニアムは公式には「耐水性・高い防風性・優れた透湿性」という特性をもちます。ゴアテックスのゴアテックスは「耐久防水性・高い防風性・優れた透湿性」を特性にもち、比較すると「耐久防水性」と「耐水性」に違いがあることが分かります。
大きな違いとしてはシームシーリングしている/していないの差です。中にはシーリングしたインフィニアム製品もあるとのことですが、謳い目には「防水性」が無いため、基本付いていないものが多いと思います。
その分、防水性は劣るものの、柔らかく自然な着心地がキープできる点がインフィニアムの大きなメリットです。
「ゴアテックスは洗濯できる」というのもデイリーに使うにはアドバンテージなんですが、こちらの商品の洗濯表示は「40℃限度 手洗い」とありましたので、洗濯機の使用は推奨されていませんでした。自分はつい洗ってしまいそうですが…洋服をしっかり守りたい方は手洗いかクリーニングに出してしまいましょう。
アウター:nonnative STUDENT JACKET W/N/P RIPSTOP CORDURA® WITH GORE-TEX INFINIUM™(サイズ2)
その他:全て私物
身長177cm、体重55kg
勝手の良いデザイン性と高い機能性を両立したことで、ヘビロテは約束されたようなもの。スタンダードな形、使いやすいポケット、かなりの確率で使うことになるでしょう。
ノンネイティブの過去の商品でCLERK SLACKSというパンツがあったんですが、そのリップストップのネイビーを持っていましたので、それに合わせられるかなと思いネイビーのジャケットを選びました。
それからESで取り扱いがスタートしたばかりのヴァンズを合わせました。このモデルも過去のモデルです。
冬のアウターは襟高になるものが多く、冬場って思ったよりパーカが着られないんですよね。ゴアテックス商品ですとより選択肢が狭い印象です。でもコレはそれができるっていうのも助かります。
シャツやニットを選べばアイビーっぽい品の良さが加わり、パーカを選べばスポーティーに。いろんな使いみちができて本当に重宝します。
コーデュラ混紡なので、自分のようにカメラをぶら下げる人間にとっては摩擦に強いアウターは大変便利です。襟もなく、機動力という面でも都合が良い。袖はレザーじゃなくボディと同様にリップストップのため体の可動域も広い。袖幅や身幅がありすぎるとカメラストラップを回しづらいんですが、こちらは細すぎず太すぎずで取り回しが良く、生地感、機能、デザインといった総合点が高いです。
まあそんな目でこのアウターを選ぶ人はあまりいないと思うんですが、自分にとっては好都合なアウターに出会えました。
トレインスポッティングみたいになってますが、ブラウジングするとわりとコンパクトになります。でもタイトになるわけじゃなく、本当に「ちょうどいい」と形容するしかないサイジングです。昨今過剰なまでにオーバーサイズのものもあり、それはそれで楽しいんですが、自分のようにカメラを携えたりなにかアクティブな場面でも着用を考えると、これくらいのサイズ感で収めておけるとストレスがありません。
フロントを空けても空けなくても裾を少し絞っておけば、ニュアンスが出ていい感じです。こうしたデザインミックスは意外とありそうでない気がしますので、ほんのちょっとの違和感も作れてロゴやグラフィックがなくてもファッション性に富んでいます。
少しお値段張りますが非常におすすめです。これだけ揃えば文句なし。何周したか分からないアメカジトレンドが来て某大手ブランドも今年はスタジャンが出ます(その他、バッファローチェックシャツだったりデニムの復権もその延長かと思います)。トレンドを押さえつつトレンドじゃなくたって気軽に便利に使えるアウターですので、気になる方はぜひチェックしてください。
ディレクター
よく着るブランド:MARKAWARE・nonnative・NIKE
好きな音楽のジャンル:シティポップ・ダンス/エレクトロニック
好きなアニメ:エヴァ
特性:静かに面白い事を言って爆笑を取る
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