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2021年にリニューアルした、NIKE AIR FORCE 1 ’07


 

 

永久不滅のキングオブスニーカー

 

いまだかつてないほどに枯渇状態にあったNIKE AIR FORCE 1 ’07。その少し前から手に入りにくくなってきたことに気づいた人も多いかもしれません。
今まで存在していた店から消えていったのは数年前。販路を一部のアカウントに絞り込んだことで、よりアイコニックな存在感を放ち、更にこの度のリニューアルを待ったことで市場から姿を消す自体に発展しました。この間、スニーカー市場も日に日に大きくなり、欲しい人も増えていく中で相対的に供給不足が起こりました。
SPRING 2021コレクションから正規に出回るNIKE AIR FORCE 1 ’07はそれまでのものとほとんど変わらない見た目ながらリニューアルを行い、品番も変更されています。
ここで改めてNIKE AIR FORCE 1 ’07とは何か、リニューアルで何が変わったのかをお伝えします。

 
 
 

NIKE AIR FORCE 1 ’07

 
 
 


 

ナイキ エア フォース ワンとは?

 

 

あまりに当たり前のスニーカーになっているため、コレがなんなのかを知る人も少なくなってきているかもしれませんが、NIKE AIR FORCE 1は本来バスケットボールシューズ(コートシューズ)です。名前はアメリカ大統領専用機に由来します。
「AIR」を搭載したバスケットボールシューズの第1号だったことも知られています。デザイナーはブルース・キルゴア。キルゴアはNIKE AIR JORDAN 1のデザインにも携わったレジェンドです。初登場は1982年でハイカットモデルとして誕生します。この時、オールホワイトではなくシルバーのスウッシュを採用していました。後を追うように翌年ローカットが発売されます(ミッドカットは1994年に登場)。堅牢で上質なスムースレザーでアッパーを作り、ライニングはメッシュのクッション、厚めのミッドソールにはエアを内蔵した、当時としては最新鋭のバッシュでした。

 
 
 

 

アウトソールパターンもバスケットボールに特化した「ピボットポイント」という円形の溝を採用。ボールを持ったまま素早い方向転換を行う時の合理的なデザインとして生まれ、その後のナイキのシューズに数多く派生していくことになります。

 

オリジナルはNIKE AIR FORCE 2が発売される1986年まで生産され一度販売終了となりましたが、ストリートバスケなどでの人気は根強かったことに加え、アメリカのメリーランド州ボルチモア地区にある3つのショップからの直談判により特別に再販が許可され人気が再燃。汎用性の高い普遍的なデザインと快適な着用感、タフな仕上がりなどからストリートシーンに定着しました。

 
 
 


 

機能から考えるナイキ エア フォース ワン

 

 

その後の多くの企業が模倣した(今も進行中でされている)完成し尽くしたデザインは文句の付け所がありません。一方で機能面を見ていくと、バッシュとして誕生した経緯からも分かる通り、高い耐久性と快適性は折り紙付き。40年近く経った現在の生活シーンにおいても耐えうる実用度を兼ね備えています。

 
 
 

 

アッパーは耐久性を考えたハリとツヤのある天然皮革のみで覆っており、履き口やシュータンにはメッシュを採用しています。高いホールド力、本革ならではの横ブレの少なさ、衝突時の故障を軽減するなど様々な点でサポートしてくれるアッパーです。ムレを解消するためにつま先やアッパー側面にはベンチレーションホールを空けてあります。

 
 
 


※イメージ

 

初めてエアを搭載したバスケットボールシューズということで、それまでのバッシュに比べて高いクッション性をもったハイクラスなモデルだったわけですが、エア自体は外側に見えていません。ではどのようにエアが入っているのか。

 

画像はイメージとして捉えてください。大体こんな具合に層になっているようです。
NIKE AIR FORCE 1のエアはかかとにだけ入っていると誤解されがちですが実は「フルレングス・エア」タイプとなっており、クッションがほぼ全体に働くように設計されています。エアの下には更に短めの薄いシートが入っています。これはアウトソールの格子箇所が直接エアに干渉しないように配慮したものと思われます。つまりミッドソール層はエアバッグを挟み込むようにできています。
アウトソールはつま先に重心が来るよう傾斜をつけてあり、かかとから土踏まずにかけて格子状のラインが引いてあります。ラインはかかとが高く、つま先方向に行くほどに低くなっていきます。かかとの方はグリッド状に空間(隙間)が空くため軽量化に一役買っています。

 

スニーカーが好きな方はご存知のようにポリウレタン素材を使ったものはいずれ劣化します。「加水分解」と言って粉状にボロボロに変化していくのです。これはどんな状況で保管していても起こるもので、2021年現在において、ポリウレタンを未劣化で残すことは不可能とされています。劣化は保管や使用状況で変化しますがだいたいの場合3年から5年とアナウンスするものがほとんど。劣化無しで10年もつケースはほぼ無いと言って良いでしょう。アウトソールに関してはゴムのため、年数に応じて黄色に変色していくと思われます。
アッパーは天然皮革、ソールはゴムということで履き込むと非常に良い風合いに変化していきます。ヒップホップを源流とするストリートカルチャーの価値観では「いつでも新品を履く、履ける」ことを重要視してきた歴史から、まっさらで汚れの無い履き方に重きを置く風潮にありますが、そのシーンを特に通ってこなかった人には特に重要なポイントではないと私は考えます。年月を重ねた時のシワや汚れも一緒に愛していただきたいです。

 

また、最近では劣化したミッドソールをクリーニングし、ソール交換を行う業者も増えています。お気に入りのモデルは劣化した後も長くお使いいただくためにそういったサービスを利用するのもおすすめです。

 
 
 


 

「’07」って?

 

 

NIKE AIR FORCE 1は1982年から25年経った2007年にアップデートし、NIKE AIR FORCE 1 ’07と呼称するようになりました。一番大きく分かりやすい点は「デュブレ(Deubre)」と呼ばれるシューレースに付属した金属パーツの追加。こちらのデザインはナイキのデザイナー、デイモン・クレッグが考案しました。その他、レザーの見直しがされたり、木型を統一したり様々に調整が入りました。このタイミングでナイキは「ICONS(アイコンズ)」という位置づけをし、大型量販店からは消えていきます。そんな量販店の中でも一部店舗や有名セレクトショップ、地方セレクトショップといったように、感度の高いお店での取り扱いにシフト。
2021年のリニューアルモデルに至るまでその形を維持してきたことになります。

 
 
 


 

なぜ市場から消えたのか?

 

 

これはナイキが直接公言しているわけではなく、結果からするとこういうことだろうという推察になります。
2021年から品番が変わって再登場するにあたり、2020年までの仕様の生産は2020年のどこかのタイミングで区切りをつける必要がありました。ナイキの動向を逐一追いかけているスニーカーヘッズは、「あれ、最近フォース手に入りづらいな」と気づいた時期があったはずです。それもそのはず、今回の新しいNIKE AIR FORCE 1 ’07の製造に切り替えたからでしょう。そのため市場は一時的に枯渇状態。年末にかけてナイキオフィシャルも含めて相当入手しづらかったはずです。今もその反動からかなり入手しづらい状況は変わっていません。
生産量を意図的に抑え商品価値を高めるブランディングはファッション分野においてはセオリーになっていますが、今回のNIKE AIR FORCE 1 ’07に限ってはそういう意図は無かったように思います。ただの製造切り替え準備の狭間だっただけでしょう。2021年からようやく量産準備が整い、今までのような枯渇状態はある程度収まると考えられます。
とは言ってもナイキの象徴的存在のモデルですから、高い人気が続くことも大いに想定しています。当オンラインストアでも可能な限りのフォローアップをしていくつもりです。

 
 
 


 

2020年以前と2021年モデルの違い

 

 

2020年までのモデルと2021年モデルは見た目こそほぼ同じですが品番が異なります。品番が異なるということは基本的にはナイキの中で仕様変更があったことを意味します。そこでナイキに直接、どこが変わったのかお聞きしました。

 
 
 

 

外観

 

基本的なビジュアルに関して影響はありません。旧品番と比べてほぼ同様のディテールとデザインを引き継いでいます。ただし、今回、新旧比較をしてみたところ、微妙に変化を発見しました(製品時の誤差の可能性もあります)。
まず上のシューズのインサイドの比較画像をご覧ください。左が新モデル、右が旧モデルです(以下も同様の配置で比較します)。同じサイズでの比較ですが、前足部のトゥガード部分がやや低いラインを描くようになり、S字のカーブも緩やかになっています。

 
 
 

こちらはアウトサイド。同様にマッドガードのS時が緩やかに。スウッシュの感じはあまり変わったようには感じません。また、シューレースを通すアイステイのパーツもほぼ同様です。

 
 
 

見た目、手触りでまず最初に変化に気づいたのはシューレースでした。新モデルはふっくらと厚みがありやや生成りに寄せたホワイトに対し、旧モデルはそれよりも薄めで漂白したホワイトでした。NIKE AIR FORCE 1 ’07を履き慣れた人はこの違いに必ず気づくはずです。

 
 
 

ステッチの中ではつま先がやや変化。新モデルはステッチ同士の幅が若干広くなっていました。

 
 
 

アウトソールを見ると、つま先とかかとのパターンに使われる星型が少し丸みを帯びた形状に変化。旧モデルはシャープな星型でした。よくよく見るとその上のラバーのテクスチャも若干変化しており、旧モデルはいびつな凹凸なのに対し、新モデルはほとんど三角形の凹凸に。

 
 
 

画像では分かりにくいくらい小さな差ですがヒールのロゴ刺繍は「AIR」の文字が微妙に丸字に変更。使っている糸も真っ白から微妙に生成りに変更。

 
 
 

アウトソールのロゴも変化が。旧モデルよりも太字に変更。ピボットポイントそのものはほぼ変化なし。

 
 
 

 

裏地・補強材

 

見た目はほとんど変わりませんが、裏地・補強材には再生素材を使用することになりました。
ナイキはこれまでもサステナビリティに関する様々な取り組みを行なってきており、2020年は炭素排出ゼロを目指す「MOVE TO ZERO」を始めとした廃棄物のリサイクルが特に目立ち、それまでにも再生レザー繊維の「NIKE FLYLEATHER」、再生ポリエステルの使用など、知られていないものも含めて多くの取り組みを継続しています。今回のNIKE AIR FORCE 1 ’07についても一部再生素材を使うことによってその一端を担うことになります。
また、目に見えない「補強材」と呼ばれる部分は、表地と裏地だけで形成が難しい部位(ヒールなど)に使われており、2枚の間に含まれているとのことです。こちらも再生素材を使っています。

 
 
 


 

スタイル

 

 

 
 
 


 
 
 

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