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NIKE WAFFLE ONE

コートからランニングへの一石を投じるか

ナイキの新しいスニーカーが到着しました。〈ナイキ ワッフル ワン〉という名前で、かなりソリッドに名付けてきたなという印象です。ナイキと言えば、「エア」と同じくらい「ワッフル」というキーワードには強い想いがあると思います。ワッフルという名前を真正面から掲げてくるあたりに、このモデルへの本気度が伺えます。

NIKE WAFFLE ONE ナイキ ワッフル ワン
ITEM CODE:DC2533-001,DC2533-100
¥12,100(税込)


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見た目は確かにレトランだけど、どこかフレッシュ


「ワン」と名付けるケース、たまにあるんですよね。過去には〈ローシ ワン〉なんてモデルもあったりして、それが別にナンバリングなわけではないんですよね。そういうの聞いてみたいですが、そんなことはさておき、〈ナイキ ワッフル ワン〉は見た目から分かるように、いわゆる「ランシュー」ってやつです。それも「レトラン(レトロランニング)」って呼ばれるようなオーソドックスなアッパーの切り替えと、名前の通りにアウトソールにはワッフルを採用しているんですね。 ただ、この〈ナイキ ワッフル ワン〉は、レトランをそのまま再現するんじゃなくて、随所に新しいポイントを散りばめているんですよ。
     
まず、一番分かりやすいのはシースルーのアッパーですね。つま先はライニングが重なってるので透けないですが、主に足の側面がスケスケです。完全に見えてます。細かいメッシュになっていて通気性しかないアッパー。ソックスの色はモロバレします。黒アッパーなら白ソックスが目立ちますし、白アッパーなら黒ソックスが目立ちます。 そんな具合に配色をソックスから考えられるスニーカーとしても使えそうです。
     
シューホールパーツとかつま先のマッドガードにはスエードを使っているみたいです。それ以外のメッシュやスウッシュロゴパーツは合成繊維扱い。ただ、このスエードも黒タグには「アッパー:天然皮革」としては表記されておらず、nike.comでは「贅沢なスエード」と表記されていますので、若干ブレがあります。
     
次に「分かる人には分かる」というかナイキが好きなら絶対に気づくポイントがヒールクリップでしょう。言ってしまえばナイキ×サカイの〈LD ワッフル〉とか〈ヴェイパー ワッフル〉を思わせる突き出たデザイン。そう言えば最近のサカイはワッフル系をよく起用していましたね。 1976年くらいに〈LD1000〉ってモデルがありまして、それもランシューでした(LDはロングディスタンスって意味)。 ナイキが超人気ブランドとコラボレーションする時って、単純に話題のモデルを起用することも多いですが、こういう「次にブレイクするシューズ」をインフルエンスするケースも結構ありますよね。
     
ランシューのカテゴリーには実は着実に準備段階があって、それがいよいよ〈ナイキ ワッフル ワン〉として花開いたのかなって印象があります。とにかくこのモデル、カッコいいしクセがなくてスタイルに落とし込みやすいバランスです。スッキリとシャープなフォルムでいかにもランシューって感じのムダのないシルエット。形は昔ながらのランシューに近いながらも、素材やパーツの使い方で新鮮味を帯びた一足に仕上がっています。
     
ノンエアでグニュッとしたクッショニングは無いものの、ヒールクリップ(スタビライザー)があって安定性が高いですし、しっかりホールド感もあります。ワッフルソールって少し固いイメージありましたけど、前足部には切れ込みが入っていて屈曲性を高めているのも細かい気遣いが感じられます。ヒールの先だけ色が変わるっていう配色もニクイ演出です。
     
ヒールクリップが安定性に寄与するほか、歩行のアシストの意味ではミッドソールが少し重さを残してあるのも特徴です。アッパーはメッシュを使い厚みも無いためにかなりの軽量化に成功していますが、その分ソールを重く感じると思います。結果、重心が底面にあるのでノンエアながらに非常に歩きやすくなるよう設計されています。
     
古いものを古いままにしておくんじゃなくて、セルフサンプリングによって新しいトラックに作り変えてる感じです。見た目は確かにレトランのそれなんですが、やっぱりフレッシュ。良いフレーズは残して、新しいドラムを入れてきたような、そんなスニーカーになっています。
     
ナイキの最近の立て続けのリリースを見ているとバスケットボールシューズを軸としたコート系スニーカーが割合を占めており、ランシューのカテゴリーはやや控えめ、といった戦略が見て取れるわけですが、前述した〈sacai〉であったり、〈Off-White〉とのコラボレーションなどではランシューのフィーチャーも少なくありません。コート系のベーシックなスタイルも捨てがたいですが、新たに来る波はランニングカテゴリーになるのではないかとも推察できます。
     
プライベートでヘビロテするのは間違いないでしょうが、私服OKのビジネスマンの足元でも良いでしょうね。ジャケットにも合う感じです。夏は短パンもいいですね。 ただ、これ、女性もかなりイケてる足元になると思います。スキニーやマキシのスカート、デニム、なんでもアリでしょう。かわいくもあり、かっこよくもある。40代、50代が履いてもかっこいい。
デメリット、といえばほとんどメッシュですから雨にはめっぽう弱いってことでしょうか。
   
発行日: 2021/05/13 〈 文=STAFF N 〉
 
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