クラークス ワラビーってどんな靴?

 

 

長年愛され続けるクラークス ワラビー

 

今季からESSENCE、ESSENCE ONLINE STOREで取り扱いを開始した〈クラークス〉。
定番でありながらその魅力は色褪せることなく、履き心地の良さ、上質な品質、どんなスタイリングにも溶け込む融和性でたくさんの人に愛され、今なおファンを増やし続けています。
そんな〈クラークス〉の代表モデル「ワラビー」を徹底解説しました。クラークスとは?サイズ選びは?スタイリングのコツは?実際に愛用しているスタッフのリアルな声とともに長年愛され続ける〈クラークス〉の魅力に迫りました。

 
 

Clarks
 
 
 


 
 

クラークスとは?

 

 

1825年にイギリスでスタートしたシューズブランド。創業者は兄弟のサイラス・クラークスとジェームス・クラークス。シープスキン製のスリッパを製造したことからブランドは始まります。1950年に発表した世界初のデザートブーツがブランドの大きな転機となり、1966年にはチロリアンシューズをベースにしたブランドのシンボルと言えるモデル「ワラビー」が開発されました。
上質な革とすべてのシューズにおいてシデの木材から手作業で削り出される木型にこだわり作られています。
 
CLARKSの歴史はもう語り尽くされてしまっているのでこの辺にしておきましょう。
じゃあ「CLARKSとは」で何を語るべきかと言うと、やはり日本でのファッション史です。とりわけブランドの象徴的存在であるワラビーは1966年に登場。まもなく生誕60年を迎えるロングセラーです。

 

 

日本での人気ぶりを覚えている人も多いと思います。日本では90年代初頭から中頃までにかけて「流行った」と言っても過言ではありません。知らない人はいなかったのではないでしょうか。その頃を通った人なら誰しもがワラビーを知っているはずです。
 
〈ナイキ〉の「エアマックス95」が大ブレイクをする前の話ですから、カジュアルシューズとしては現在の形になるパイオニア的な一端を担っていたとも言えるかもしれません。
あの当時、メイド・イン・イングランドがなくなり、全てアジアンメイドにシフトするとかで、随分英国製がもてはやされていた記憶がありますが、結局の所生産国が変わってもワラビーの価値は変わりませんでした。
 
90年代ブームやシティボーイのムーブメントとともに2020年頃より人気が再燃。山本康一郎さん※や長谷川昭雄さん※ら、現在を象徴するスタイリストたちの影響もあって若いゾーンにまで一気に認知が広がりました。
 
山本康一郎…1961年京都に生まれ、東京で育つ。大学時代からフリーエディターとして活動し、雑誌や広告のスタイリングを手掛ける他、〈スタイリスト私物〉などのブランドのディレクションにも携わる。
長谷川昭雄…ファッションディレクター、スタイリスト。雑誌『MONOCLE』や『POPEYE』のファッションディレクターを歴任後、フイナムとともにウェブメディア『AH.H』を立ち上げる。2020年〈NAUTICA〉のクリエイションディレクターに就任。

 
 


 
 

ワラビーの特徴って?

 

 

日本では1971年から販売している〈クラークス〉のアイコニックなモデル「ワラビー」。子供をお腹の袋に入れて大事に育てるように足を優しく包み込むような一足というところから、カンガルーの小型有袋類ワラビーから命名されました。

 
 
 

アッパー

 
 
 

「モカシン」や「チロリアンシューズ」と呼ばれるU字に縫われたアッパーのシューズは、昔ながらのアウトドアシューズとして誕生しています。ただ、登山靴というよりは、チロリアンシューズが生まれたアルプスのチロル地方の地形で快適に履くために生まれた日常的に履く靴でした。ワラビーはその靴の系譜にあり、〈クラークス〉において第二のデザートブーツのような位置づけで発表されています。

 
 

タンもアッパー本体とつながった袋状のモカシンアッパーで、まるで一枚の革で足を優しく包み込むような気持ちのいい履き心地はこのアッパーなしでは実現できません。
また、スクエアトゥの形状から、つま先に「遊び」がほとんどないため、これが一般的なスニーカーとサイズ選びが異なる原因になっています。

 
 
 

ソール

 
 
 

通常モデルであるワラビーでは独特な「クレープソール」を採用しています。天然ゴムを原料とした非常に弾力性の高いミッドソール兼アウトソールであり、足馴染みに優れ柔らかい履き心地は唯一無二。〈クラークス〉を味わいたいならクレープソールのモデル一択。

 
 

ですが、現在は透湿防水性に優れ、デイリーに使いやすいゴアテックスモデルもあり、こちらはビブラムソールとなっていますので、お好みでお選びいただけます。
2021年より「森林環境協議会(FSC)」※の認証を受けています。
 

森林管理協議会…国際的な森林管理の認証を行う協議会のこと。 1993年10月にカナダで創設されたNGO。 生産を行う森林や製品、流通過程の評価、認定、監督を行う。

 
 


 
 

サイズ選びはどうしたらいい?

 

 

どのサイトでも言えることなんですが、「クラークスはサイズが大きい」と言われていますし、事実大きいです。また馴染みの薄いUKサイズというのも選び方をややこしくしています。
まず、私の体感的に言うと「ナイキより1.5cm小さいのを選べばちょうどいい」。私はスニーカーを特別大きく履いたりはしませんので、おそらく多くの方にとって「-1.5cm」がベターな選択だと思って大丈夫だと思います。
実際に〈クラークス〉を愛用しているスタッフの声をきいてみましょう。

 
 
 

STAFF 石川

 
 
 

 

■普段の着用サイズ
CLARKS:UK 8.5(26.5cm)
NIKE:27.5〜28.0cm
new balance:9〜9.5
converse:US 9〜9.5(27.5〜28.0cm)

 

足の幅は比較的細めで、甲もそこまで高くありません。〈クラークス〉は-1cmのサイズを選んでいます。足の幅や甲の高さが平均的という方は-1cmを選んでもらって問題ないかと思います。
〈ニューバランス〉の991・993・2002・990V5などクッショニングとフィット感が良いシューズを好んで履くのですが、〈クラークス〉は特段クッションが高いわけではないですが、足裏からしっかりアシストしてくれるのでスニーカーに負けず劣らなず歩きやすいシューズだと思います。
 
普段は「ワラビー」のローカットを愛用していますが、アッパーのスウェードが程よくクタッとしてきて、小慣れた良い表情が出てきます。
履き込んでいくと足の形にフィットしてくるので、シューレースをしっかりと絞って履くとさらにフィット感が増します。

 
 
 

STAFF 佐鯉

 
 
 

 

■普段の着用サイズ
CLARKS:UK 7.5(25.5cm)
NIKE:27cm
new balance:27cm
converse:US 8.5(27.0cm)

足幅は広くて、甲は高くも低くもないタイプで、〈クラークス〉は-1.5cmを選びました。-1cmも履いてみたのですが、歩くとかかとがパカパカと浮いてしまう時があったので、もうハーフサイズ小さいものを選んだらジャストでした。足幅の広い方は普段、足幅を優先してサイズ選びをすると思いますが、〈クラークス〉の場合、スクエアトゥで足幅も広い作りなので、小さめのサイズを選んでいただいてもいいと思います。
 
〈ニューバランス〉の900番台が長い時間履いていても疲れにくいのでよく履いているのですが、「ワラビー」のゴアテックスも同じくらい疲れにくいので愛用しています。普通モデルよりややソールが高く、アッパーは柔らかいスエードなので最初から履き馴染みが良いです。履き始めはややソックスに色が移るので、シューズと同系色のソックスを選んで履いていました。

 
 
 

STAFF 長谷川

 
 
 

 

■普段の着用サイズ
CLARKS:UK 8(26cm)
NIKE:27.5cm
new balance:27.0~27.5cm
converse:US 9(27.5cm)

足の幅が広めで、〈クラークス〉はサイズ-1.5cmで選んでいます。甲は低めなので、シューズを履く際、上部にフィット感を感じられないことが多いのですが、〈クラークス〉のスウェードは最初から柔らかく馴染みがいいので、シューレースをきゅっと縛ることで足の甲にもしっかりフィットしてくれます。偏平足で足幅に締め付けを感じると足が痛くなってしまうのですが、〈クラークス〉は包み込まれるようなフィット感があるので、痛みを感じたことがありません。
 
履きやすさとファッション性どちらも重視したいので、普段は〈アディダス〉、〈タビト〉、〈アシックス〉などをよく履いています。クラークスはカジュアル・ドレス両方のスタイリングに取り入れられる汎用性はもちろんですが、フィッティングの良さも持ち合わせているのでとても重宝しています。履き込むとアッパーが馴染んでくるので、より一層フィッティングが良くなるように感じます。

 
 


 
 

何と合わせて履く?

 

〈クラークス〉を何と合わせて履こう?と考えても明確な答えが出てきません。それはきっと〈クラークス〉 「ワラビーブーツ」の最大の魅力とも言える、どんなテイストにもハマる、融和性の高さが理由となっているでしょう。これが”ベストの合わせ方”が幾通りも存在するため、1番を絞ることができません。ブランドの個性を消すことなく、スタイリングに自然に馴染むのです。
ESSENCE、ESSENCE ONLINE STOREでは様々なブランドを取り扱っていますが、それぞれブランドの持つ雰囲気は異なっています。本当にどんな服にも合わせられるのか、代表ブランドとして〈マーカーウェア〉、〈ノンネイティブ〉、〈アタッチメント〉の3ブランドでそれぞれスタイリングを組みました。

 
 

MARKAWAREの場合

 
 
 


MARKAWARE|TRENCH COAT – ORGANIC WOOL SURVIVAL CLOTH(A22C-06CO01C) |¥116,600(税込)
MARKAWARE|HUGE PARKA – ORGANIC COTTON HEAVY FLEECE(A22C-07CS01C) |¥39,600(税込)
MARKAWARE|FLAT FRONT TROUSERS – ORGANIC WOOL SURVIVAL CLOTH(A22C-06PT03C)|¥38,500(税込)
CLARKS|MENS Wallabee GTX Sand(26165695)|¥33,000(税込)
その他私物

 
 

全体的にブラウン系のアイテムで、季節感のあるスタイリングを意識し、重くならないように、クラークスはベージュをチョイスしました。コートを脱いでパーカー一枚になっても、同様の雰囲気が楽しめるように組んでいます。スウェットのセットアップでかなりカジュアルなので足元に革靴を持ってくることでスタイリングを引き締めることができます。リラックス感のあるアイテムが多い〈マーカーウェア〉には、〈クラークス〉の持つクラシカルさがよく合います。

 
 
 

nonnativeの場合

 
 
 


nonnative|COACH JACKET W/N/P TWILL CORDURA® WITH GORE-TEX INFINIUM™(NN-J4116) |¥73,480(税込)
nonnative|DWELLER L/S TEE “BOWERY”(NN-T4201) |¥12,980(税込)
nonnative|DWELLER 5P JEANS 02 COTTON 13.5oz DENIM STRETCH OW(NN-P4204)|¥25,080(税込)
CLARKS|MENS Wallabee Boot GTX Maple Suede(26168545)|¥34,100(税込)
その他私物

 
 

ネイビーのワントーンでスタイリングにメープルの「ワラビー」をポイントで入れました。これからの時期はダークトーンの洋服に袖を通すことが多くなると思うので、足元に明るいトーンを持ってくるだけでスタイリングに動きが付きます。さらにメープルスエードは素材感がわかりやすいので、季節感もグッと増して見えます。今回使用した「ワラビー」は、〈ノンネイティブ〉らしい土っぽさもプラスできる良いカラーだと思います。ボリュームのある「ワラビー」は細身のデニムと相性抜群です。

 
 
 

ATTACHMENTの場合

 
 
 


ATTACHMENT|PIGMENT DYED CO/LI TWILL ZIPUP JAKET(NN-J4116) |¥46,200(税込)
ATTACHMENT|COTTON DOUBLE FACE HIGHNECK L/S TEE(AJ22-045) |¥18,700(税込)
ATTACHMENT|WO GABARDINE TWO PLEATS WIDE TROUSERS(AP22-015)|¥38,500(税込)
CLARKS|MENS Wallabee GTX Black Suede(26149449)|¥33,000(税込)
その他私物

 
 

「ワラビー」のゴアテックスはビブラムソールによって少しモードな雰囲気があるので〈アタッチメント〉で統一してモードな雰囲気を演出しました。ジャケットには目を惹く柄を取り入れていますが、カラーをダークトーンに統一することで落ち着きのある雰囲気に仕上げています。ワイドパンツを履くときはローカットの「ワラビー」を選ぶと足元がもたつかずスッキリとするのでおすすめです。「ワラビー」のマットな質感や尖りのないフォルムは、スニーカーやローファーには出せない程よい抜け感を出すことができます。〈アタッチメント〉のモードやミニマルなスタイリングは硬い印象になりがちなので、クラークスで抜け感を足してあげると、普段カジュアルなスタイリングが多い方でも着やすくなります。

 
 


 
 

どうして私たちはクラークスを選ぶのか?

 

 

ESSENCE、ESSENCE ONLINE STOREで取り扱いが始まってから数カ月ではありますが、すでに今季のスタッフの支持率はNo.1である〈クラークス〉。どうしてそこまで人を惹きつけるのか。最後にスタッフに語ってもらいましょう。

 
 

 

多様化するファッション要素の中でも、変わらないクラシカルさに加え、幅広いスタイルにフィット出来る点が強みだと感じます。レザーシューズながらも気軽に取り入れられる、良い意味での”ハードルの低さ”が〈クラークス〉の魅力だと感じています。

カジュアルさ、キレイな印象を兼ね備えた雰囲気ですかね。だからこそ様々なスタイリングにハマってくれる点が魅力ですね。ゴアテックス搭載モデルなど機能面でも優れており、スウェードの質感は秋冬の雰囲気もたっぷりでこれからの季節にも持ってこいな1足です。

カジュアル・ドレス両方のスタイリングに取り入れられるので、ワードローブに1足あるとかなりスタイリングの幅が広がります。そして何と言っても履きやすさが魅力です。履いた時の安定感とフィット感は他のシューズには代えがたい点だと思います。

 
それこそ四半世紀ぶりにワラビーを履いたのですが、これまでずっと〈ナイキ〉や〈ニューバランス〉といったスポーツブランドのスニーカーをスタイルの中心に選んで履いてきました。
しかし、決定的に打ち消せないものがあってそれは時として不必要になる瞬間があります。それは「スポーツ」というジャンルそのものでした。
どんなスニーカーを履いてもスニーカーはスニーカーであり、スポーツブランドなんです。それが消えることはありませんでした。

 

 

「この洋服の時にスポーツブランドじゃない味付けの方がいいな」という場面が度々あります。そのときに革靴やブーツだとトゥーマッチになるところ、本当にちょうどよく革靴との中間のような味付けで履けるのが〈クラークス〉の「ワラビー」なのです。

 
 


 
 
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