日本一を誇るニットのまち「五泉」の技術力が生み出す洋服 (WRAPINKNOT編)

「ニットといえば五泉(新潟県)」

「タオルといえば今治(愛媛県)」、「デニムといえば児島(岡山県)」、「金物といえば三条(新潟)」など、日本各地に有名な生産地があるが、 ニットにおいては五泉(新潟県)がこれに当たる。

これは新潟にお住まいの方はもちろん、アパレル業界に身を置く方には広く知られており、生産されたアイテムの品質はもちろんの事、ブランド化され日本だけでなく海外マーケットでも高い評価を受けている。 2022年の秋冬コレクションでも注目が高かった「ニット」だが、2023年春夏にもその余波が続き引き続き高い注目を浴びている。

今回の特集では五泉ニットの歴史や現在の生産背景、そしてESSENCEで厳選した「五泉ニット」のアイテムを様々な角度で発信していく。

何故五泉は国内最高峰のニット産地になったのか

新潟県の中央部に位置し、地名の通り良質な水資源に恵まれている五泉市。江戸時代から戦前までは絹の織物産業として栄えていた。

しかし、第二次世界大戦の頃に起きた大火事により、当時織物を営んでいた会社が大きく焼けてしまったことや、和服から洋服へと需要が傾いていった事で、 織物から編み物へと変化をしていった。 そんな情勢の中、五泉の各メーカーはニットの技術を磨き上げ続けた事で、数十年連続して日本一のニット生産高を誇る名産地へと成長。歴史が積み上げてきた高い技術力は、世界中の名ブランドからも高い信頼を得ている。

五泉ニットの特徴とは

五泉ニットの中でも得意とされているのが、ハイゲージニット(目が細かく密に編み込まれたニット)。 他の産地や工場では難しい細い糸を使った編立や、ニット以外に異素材と組み合わせた製品は五泉ニットの特徴の一つ。

『ここでしか出来ない』高い技術力があり、『ハイゲージニット=五泉』と言っても過言ではない

歴史と高い技術を持ち合わせた〈ウメダニット〉

今回ESSENCEで新たに取り扱いを始める「WRAPINKNOT(ラッピンノット)」、徐々にファンが増えてきている「WAIR(ウエア)」のニットは、五泉ニットメーカーの中でも有名な〈ウメダニット〉が手掛けている。

ウメダニットは創立約60年の老舗ニットメーカー。同社で手掛けられたニットは美しく、気品ある表情、品格が感じられる。 工場に入り驚いたことが、ほぼ全ての生産工程が手作業で行われているという事。

編み立てから、裁断、縫製、パッキング、出荷対応など、全ての工程に人の手が入っており、全ての工程が1社で完結している。 1から10までの工程を自社で、かつ高い水準で一貫して行えることが、多くのブランドからの生産を依頼される最大の理由だと考える。

その高い技術力、豊富な設備、そして国産ならではの高品質でロスの少ない生産管理技術により、OEMも幅広く手掛けている。

独自の世界観と高い技術力から生まれた「WRAPINKNOT」

2023年春夏から新たに取り扱いを始めた「WRAPINKNOT」。毎シーズンコレクションを展開し、高いデザイン性と技術力から男女共にファションが好きな人々に高い支持を受けている。

今回ESSENCEでは同ブランドで展開されている「Www(Wrapinknot wool wear)」シリーズに注目し、取り扱いを始めた。 ウール特有の綺麗な発色と光沢は上品さを生み、天竺編みから生まれる伸縮性は着心地の良さを提供してくれる。 展示会で着用した時に袖を通し、鏡の前に立った時にちょっとした感動が生まれたのを鮮明に覚えている。 ファッションとして街で着飾る為だけでなく、上質なルームウエア、ワンマイルウエアとしても使える逸品である。

メリノウールとは、ウールの中で最高級として位置付けられている素材。繊維が非常に細く、柔らかいので、肌触りが良いのが特徴である。 さらに、過去の発信でも触れてきたが、ウールは高機能素材としても位置付けられる。吸湿性、速乾性が高く、アウトドアメーカーではインナーなどにも採用している程。 ウールの特性上汗を吸っても菌が繁殖しにくく、防臭性が高いのも嬉しい。

よく「ウールって夏に着れるの?」というお問い合わせがあるが、ここに関しては全く問題なく着用出来ると自信を持ってお答えしたい。 ウールは熱伝導率が低い為、春夏は涼しく不快感もなく、秋冬は暖かく着てもらえる。 「ウール=秋冬」として認識している方も多いと思うが、この特集を通して「ウール=オールシーズン」として認識してもらえると嬉しい。

また、アウトドアブランドのように見えないよう、糸選や厚み、襟周りや袖のディティール、シルエットや加工で、いかに上品に見せるかにも拘りを持っている

ESSENCEの提案として、3つのシーンをヴィジュアルにした。
1.ルームウエア

ダークネイビーのカーディガンはESSENCEの別注カラー。 もちろんTシャツや、パンツと組み合わせてセットアップとしてお使い頂けるように。

また、Tシャツも別注。インラインで採用されていた胸ポケットを無くし、スッキリとした印象に。 生地の美しさや編み地の上品さを最大限活かしている。

2.ワンマイルウエア

部屋からちょっとした外出先、急な訪問にも対応出来る程綺麗なシルエットと程よい光沢、ドレープの美しい表情。

スウェットやパジャマでは中々外に出づらいが、これだけ綺麗であれば安心。

肌寒い時はAWシーズン購入されたコートやダウンをさらっと羽織ってもらい、屋内に入れば上着を脱いでセットアップになっても◎。

3.デイリーウエア

もちろんファッションとしての街着にも向いている。ESSENCEでも取り扱いのあるMARKAWAREやATON、ATTACHMENT、LENOなどを普段着られている方には組み合わせやすいシルエットになっている。

こちらの「Www(Wrapinknot wool wear)」シリーズ、ウォッシャブル加工を施しているのでご自宅での洗濯が可能。 イージケアの側面は使い手にしてみれば嬉しい。気を使わずガシガシ着てもらいたいシリーズだ。


洗濯による縮み、摩擦によるピリング(毛玉)など劣化を気にされる方も多いと思うが、そこは過度に心配しなくて大丈夫。メーカーお二方の私物を借りて撮影してみた。

着用期間
約1年
洗濯方法
ネットに入れたりそのままだったり。
洗濯回数
15回以上
使用用途
夏は街着にメインとして。移動の多い出張時はセットアップ。秋冬はインナーとして。
手入れ
特にしていない
着用期間
約2年半
洗濯方法
最初はネットに入れて洗濯。現在は入れずに洗濯。
洗濯回数
70回以上
使用用途
夏は街着にメインとして。移動の多い出張時はセットアップ。秋冬はインナーとして。
手入れ
特にしていない *針金ハンガーなど細いものにかけるのは注意

お二方共、目立つようなピリングや縮みは見られない。かなりのハードユーザーだと思うが、それでもこの状態をキープ出来るのは驚きである。

(左が2年半着用したもの。右が新品)

新品と比較をしてもぱっと見ほぼ変化が無い。むしろ洗ったことにより生地の繊維の撚りが緩み、より上品な光沢感と柔らかさを感じる。お二方ともネットに入れずに洗濯をしているとのことなので、購入された方もガシガシ使っていただきたい。

値段は決して安いものではないが、ここまでのクオリティ、多様性を考慮すれば納得出来るアイテム達。自分用は勿論の事、プレゼントや、お祝いにも適したアイテムだと思う。

今回の特集はどちらかといえばライトなものにしようと考えていたが、あまりの製品品質の高さに言いたい事が多くなってしまい、同じウメダニットで制作されたWAIRの新作についてまで辿り着かなかったので、次週はそちらを。今度はビジュアル多めにお届けしていく。

3月4日公開予定