2023年10月10日発売〈コンバースアディクト〉の2023ホリデーコレクションより、ジャックパーセルが登場。
同ブランドのチャックテイラーと並び、見たこと無い人はいないくらい浸透しているスマイルのトゥデザイン。どんなスタイルにも合わせられるキュートなルックスは玄関に一足常備したいシューズのひとつです。
改めてご紹介すると〈コンバースアディクト〉は米〈コンバース〉生誕100周年の2008年に日本で誕生したシリーズです。「日本で誕生した」というとちょっと語弊を招くかもしれませんが、そもそも現在の日本国内の〈コンバース〉は伊藤忠商事が運営するコンバースジャパン株式会社の商標であり、正規品の全てが「日本企画」です。つまり、米〈コンバース〉のライセンス商品ではないのです。資本も別となっています。
〈コンバース〉が生まれたアメリカでは〈ナイキ〉が商標を所有して企画製造をしています。このため海外正規品が日本では「商標侵害」にあたり正規流通しません。
この観点で言うと〈コンバースアディクト〉もまた日本でしか手に入らない〈コンバース〉ということで、海外ファンにしてみれば喉から手が出るほど欲しいコレクションなのです。
CONVERSE ADDICT
JACK PURCELL CANVAS (LIGHT BLUE)
33301180
¥18,700 (税込)
CONVERSE ADDICT
JACK PURCELL CANVAS (CAMEL)
33301181
¥18,700 (税込)
CONVERSE ADDICT
JACK PURCELL CANVAS MID (BLACK)
33301190
¥19,800 (税込)
ジャックパーセル自体は〈コンバースアディクト〉で言うと2021ホリデーコレクションの〈リチャードソン〉とのコラボレーションモデル以来となりますので丸々2年振り。ブラックのミッドカットとシーズナルカラーのライトブルーとキャメルがローカットで登場します。
〈コンバースアディクト〉のジャックパーセルは1970年代のジャックパーセルをベースにインソールのデザイン、ステッチ、ヒールラベル、キャンパスの風合いなどを再現しています。〈コンバースアディクト〉名義によるジャックパーセル初のミッドカットのみ、1990年代のジャックパーセルのルックスを再現しているとのこと。
その上で現代的な快適性を付与すべくVIBRAM MEGAGRIP®のアウトソールやクッション性に優れたPORON®をヒールに搭載。アッパーのキャンバスは日本製のオリジナルキャンバスを使ったり、ソールは真っ白じゃないラバーを使ったりと、ファンが求める外観と内装を実現。いかにもローテクなルックスですが、徹底的に追求したコレクションになっています。
ちなみにPORON®はインソールのかかと裏に使われているポリウレタン製のクッション素材(画像のブルーのパーツ)です。
ポリウレタンはエステル系とエーテル系の2種に大別されます。PORON®はエーテル系に属する分子構造のため、水に強く加水分解しにくいとされています(記事によっては「加水分解しない」と断言するところもあるくらいには強いようです)。
結合分子レベルの理屈ではエステル系ウレタンが「-COO-」をもっていて、これが水(H2O)に反応しやすく「-COOH(酸)」と「-OH(アルコール)」に分解されます。これが加水分解です。一方エーテル系ウレタンは「-O-」をもっていて、これは水に反応しません。よってエーテル系のPORON®は加水分解しない理屈なのだそう。なんだかすごいですね。世の中のスニーカーはみんなエーテル系にしてほしいくらいです。
その他にも機能や再現性の高いディテールが充実。
〉ヒールラベル
1970年代の「JACK PURCELL」に見られる、 凹凸感のあるロゴを立体成形で再現。
〉サイズ表記
1970年代の「JACK PURCELL」に見られる、 内甲の裏にサイズ表記をプリント。
〉シューレース
1970年代の「JACK PURCELL」に見られる、 コットン素材のシューレースを再現。
〉アッパー補強
1970年代の「JACK PURCELL」に見られる、 当て布とアーチ状のステッチによる補強を再現。
〉踵紐
1970年代の「JACK PURCELL」に見られる、 踵紐の幅やステッチを再現。
〉アウトソール
防滑性、耐摩耗性に優れ、全天候に対応した新配合 「HIGH PERFORMANCE RUBBER COMPOUND」の 「VIBRAM® MEGAGRIP」ソール。
〉インソール
クッション性に優れた 「PORON®」をヒール部に搭載した、 取り外し可能な圧縮 E.V.A.製カップインソール。
さて、スタイルについてですが、ジャックパーセルを好む方はどちらかと言うと太めのボトムスを合わせたくなることが多いようです。実際、筆者もこのセオリーに則ったスタイリングをしてみました。シンプルにジーンズやチノ、カーゴ、ベイカーといったようにアメリカンなボトムスの傾向が強く、事実、ジャックパーセルの印象はそうだと思います。
こってりしたアメカジもすごくいいのですが、もう一歩違うところに踏み込みたいのであれば今でしたらスラックスタイプに合わせるのも良いでしょう。オールスター(チャックテイラー)と同様、洋服を選ばないモデルですから正直なところどの洋服でも足元が浮くようなことはありません。
あるいは全てカジュアルでも同系色でまとめるトーナルコーディネートですと洗練されたスタイルを作れます。ベージュならベージュ〜ブラウン、ライトブルーならブルー〜ネイビーあたりでまとめるだけでもかなり印象が変わるはずです。
最もコテコテなチノパンを敢えて使ってみたものの、ベージュで統一したらいわゆる「アメカジ感」とは縁遠いルックになったのではないでしょうか。
ジャックパーセルはカート・コバーンという強烈なアイコンが愛用者だったが故に、ボロボロになってからが本当の魅力のような気がしませんか?ソールはすり減って、アッパーは破れて、色褪せてからが本番。どんなにボロボロになろうがジャックパーセルの魅力は色褪せません。
個人的な感覚で言えばオールスターがどの時代でもフラットに付き合えるシューズであるのに対して、ジャックパーセルは「あの頃の青春を閉じ込めた写真」のようなエモさがあるんです。手にするとそんな気持ちが蘇ってきます。
ジャックパーセルのざっくりした概略
1932年にA.G.SPALDING & BROS社とバトミントンプレーヤーのジョン・エドワード・ジャック・パーセル氏による開発で誕生しました。〈コンバース〉のもう一つ看板モデルであるオールスターがバスケットボールシューズを出自にもつのに対し、ジャックパーセルはバトミントンシューズだったことは知らない人も多いかもしれません。
1935年にはより良いシューズづくりのためにBF.Goodrich社が製造を担うことになりました(販売は引き続きSPALDINGでした)。BF.Goodrichのブランド〈PF Flyers〉からオールコートというモデルを発売しましたが、これが今日のジャックパーセルの原型です。その後に〈コンバース〉が買収後に引き継いたという歴史があります(〈PFフライヤーズ〉は後に紆余曲折あって現在は〈ニューバランス〉が所有しています)。これが1972年のことだったため、〈コンバースアディクト〉のジャックパーセルは70年代モチーフとなっているようです。
〈PFフライヤーズ〉の「PF」は「Posture Foundation」の略で、インソールの土踏まずの部分を膨らませたアーチサポートの設計を意味しています。これが特許をとっているんですが、ジャックパーセルの象徴的な青ヒゲのマークはコレが元ネタであるとされています。
2023年10月10日はTHREEC WEB STOREの店休日ですが、〈コンバースアディクト〉の2023ホリデーコレクションのみ当日の対応を承ります。それ以外の商品のご注文は翌日以降の対応をとらせていただきます。あらかじめご了承ください。