次のトレンドになるか?2022年から推していきたいシェルアウター!marka×Wild ThingsのPCU JACKET

次のトレンドになるか?2022年から推していきたいシェルアウター!marka×Wild ThingsのPCU JACKET

こんにちは。Nです。
毎シーズン好評のマーカ×ワイルドシングスのコラボレーションアイテムが2022SSでも登場しました。今回ESSENCEで入荷したのはPCU JACKETです。名前からも見た目からも分かりづらいですがワイルドシングスとの共同制作なんです。マーカらしく生産は日本製になっています。

 
 
 

marka / マーカ
PCU JACKET – PARTEX 3LAYER NYLON RIP STOP
M22A-07BL01C
¥68,200

PCUは「Protective Combat Uniform(プロテクティブ・コンバット・ユニフォーム)」の略で特殊作戦軍のSOCOMが主導に開発を進めたレイヤリングシステムのこと。2002年からのシステムだそうで比較的歴史は浅いです。似たようなシステムに拡張式寒冷地被服システムの「ECWCS」があります。ECWCSと違うのは最新技術を用いてレイヤリングすることにこだわったことなんだとか。ですので今回のジャケットも結構テック感が強め。
スキーヤーやアルピニスト向けのジャケットによく見られる高い位置に配置したチェストポケットが特徴で、胸にも縦にポケットを配置してあります。

 
 
 

ポケットやフロントのダブルジップは止水タイプ。止水の口って物によっては硬くて手を入れる時にガサッとするものもあるんですがこちらはその心配なし。後述します柔らかい生地の特性を損ねていません。

 
 
 

生地はナイロンのPERTEX SHIELD(パーテックス シールド)を採用しています。これは無孔質ポリウレタンフィルムをラミネート…といってもよく分からないかもしれませんが、とにかく雨に強いと思っていただければ間違いありません。透湿防水性能をもった生地ですので真冬もインナー次第で使えますし、コレ自体をインナーにしちゃってもいいくらい薄手で軽いです。

 
 
 

光をかざすと透過するくらい薄手なのに3レイヤー構造でしっかり雨風を防いでくれます。裏地の縫い目にはシームテープで処理してあり、水の侵入をシャットアウト。

 
 
 

タグマニアとしてはこういう並びがたまりません。ちなみにワイルドシングスのネームは普通左胸に刺繍されるなどするんですが、マーカとのコラボレーションのこちらは裾のネームタグと首元のこちらだけとなっています。

 
 
 

フードは短めのバイザーが付き、後頭部と口元をスピンドルで絞れる仕組みです。新潟のような風が強い地域ではすごく役立つんです。あとはシチュエーションは限定されますがヘルメットを被った時なんかはフィッティングを高めてズレないように、というのもあるでしょう。バイク乗りには良いかもしれませんね。

 
 
 

チェストポケットは袋側が細かいメッシュ地となっており、これが着用時のサラッとした着心地に直接効果を発揮します。袋が大きくかなり大容量です。ポケットの下の方にある三角形の部分がこのジャケットの機能に大きく影響しています。

 
 
 

フォーカスした画像がこちら。何やら裾のスピンドルとコードが繋がっていますね。実はコレ、裾のスピンドルを絞る時にコードの先がポケットの中まで通してあって、ポケットの中から裾を絞れるようになっています。また、絞った時にコードが垂れ下がることなく、ポケットの中でまとまるため、見た目もスッキリさせたままにできるのです。こういうポイントはワイルドシングスならではかなと思いますね。

 
 
 

トップス:marka PCU JACKET – PARTEX 3LAYER NYLON RIP STOP(サイズ2)
ボトムス:WAIR NOWALL SEMI EASY PANTS SLIM TAPERED N/PU CORDURA®(Lサイズ)
その他:私物

アームは割りと幅があるものの、マーカ・マーカウェアの大きなシルエットの提案の中ですとさほど大きすぎず、バランスがとりやすいサイジングです。
余談ですが、ウエアのパンツが完売したままになっていて購入できていない方、申し訳ありません。2月に入荷の予定です。パンツは分からない程度にマイナーチェンジされます(シルエットに変更はありません)。そして、新作も投入予定ですのでお楽しみに。

 
 
 

裾は後方がラウンドしており、屈んでも腰が出づらくなっています。アウトドア系のアウターにはよく見られる仕様です。ファッション的にもニュアンスが出やすく好影響。

 
 
 

裾の絞りはこんな具合に行います。裾のスピンドルを押しながらポケットの中のコードを引っ張ります。これも珍しい仕様というわけではありませんがファッションブランドでは珍しいかも。やはりワイルドシングスが関わることでかなりいろいろなアイデアが盛り込まれますね。

 
 
 

絞るとこんな感じに丸みが生まれて更にファッショナブルに変わります。私は裾が絞れるタイプのアウターは基本的に全部絞っちゃいます。トレンド感の意味もあるかもしれません。サラッと絞らず着ても十分にカッコいいのでその辺は好みで。

 
 
 

襟元は比較的高めなので、開いてもきれいにスタンドします。春先に軽めに着たい方なんかは首を見せてスッキリと着てみてもいいでしょう。

 
 
 

前を開けるとこんな感じです。見返しなどはないのでフードから襟元はガバっと開く感じ。このラフな着方もまた90年代〜00年代っぽさがあります。

 
 
 

冒頭で「テック感が強め」とお伝えしましたが、たしかにマーカのコレクションの中でも一際異質な存在になっています。ただ、このテックっぽいアウターを質の良い天然繊維の洋服と組み合わせるのが私としては昨今のスタイルの要かなと思います。ここで使ったのはリノのバルカラーコート。このコート自体かなり良いですね。こういう仕立ての良いコートなんかを羽織って合わせたりするのはかなりオススメです。普段のコートの使い方とは違って見えると思います。コートの品の良さを活かしてあげつつ、肩の力は抜けてる感じは私的好みのど真ん中。
コートはサイズ2です。

 
 
 

シェルアウターも厚手のものですとこういう使い方に無理が出てきますが、このジャケットはホントに軽くて薄い(のに防水防風透湿)ので、スタイリングもバリエーションが出てきます。しかも実用的。
「良い化学繊維」×「良い天然繊維」のコンビネーション、ぜひ真似してみてください。取り上げたリノのバルカラーコートはナイロンが含まれるため100%天然ではないんですが、ニュアンスは伝わると思います。

 
 
 


シェルアウターがこれから来る予想

2022年はESでもシェルアウター類が豊富にラインナップされる予定です。というのもトレンドの動向としては80年代→90年代と推移していて90年代後期から2000年代前半にかけての洋服に移っていくことが予想されるため、その頃に人気なアイテムの一つだったシェルアウターが次に人気になるのではないかと考えているんです。
ワイルドシングスのジャケットなんかも90年代中期から後期にかけて目立っていたように思いますが、ア・ベイシング・エイプのスノボジャケット人気やテクノロジーにいち早く注目したソフの立ち上げやテック系ブランドのセック、サイクル、プレイフォードイクイップメント、ネクスドあたりのニュージェネレーションもナイロン系が強かったと思います。
「ネオB系」「恵比寿系」ともてはやされていたオールマイティ、スワッガー、モンタージュ、スキャナーといったブランドたちもナイロンジャケットが人気を博していました。

 

この頃のムーブメントは20年経過してまた返り咲くのかなと思うのですが、我々が提案したいのは「ファッション」としてのシェルを使うより、専門性の高いウェアをファッションに転用する考えです。ワイルドシングスもそうですし、これからお伝えできる新ブランドもアウトドアを分野にしながら感度の高い方に支持されるものですが、そうしたアイテムを日常に加えることでマジョリティとは違った着こなしができるのではと思います。
ESにあるブランドならノンネイティブ、ゴールドウイン、ファーストダウンなどしっかり作り込んでいるブランドたちも含めシェルアウターが届くのを待ちたいと思います。

 
 
 

トレンドになるかはさておき、パーテックスもそうですしゴアテックスもそうですが、防水透湿性素材を使ったシェルアウターは一着あると嘘偽りなく重宝します。今ですとスタイリングに使ったようなシャカシャカ系のパンツやワイドパンツに合わせるのがもっとも素直な使い方だと思いますが、個人的にはもっとどストレートにデニムパンツや細身のパンツを合わせてちょっと懐かしさもあるスタイルがしてみたいです。
2000年前後くらいの日本のミュージシャンってそういうスタイルの人がめちゃくちゃ多かった印象があります。「1万字インタビュー」とかはだいたい街角の電信柱の脇でシェルアウターを着たミュージシャンが立ってて佐内正史が撮ってます。
そういうのが今すごく良いなと思います。

 
 
 

 
 
 

WRITER N

ディレクター
よく着るブランド:MARKAWARE・nonnative・NIKE
好きな音楽のジャンル:シティポップ・ダンス/エレクトロニック
好きなアニメ:エヴァ
特性:静かに面白い事を言って爆笑を取る