本物志向かつトレンディ、LENOのGジャンの完成度はマジでヤバいです

本物志向かつトレンディ、LENOのGジャンの完成度はマジでヤバいです

こんにちは。Nです。
いっとき「デニム人気が衰退した」なんてフレーズも見かけましたが、それもなんのその、デニム人気の過熱ぶりが目立っています。しかも「良いデニム」なんて呼ばれるようなものも支持を集めているところを見ると、これまでとはちょっと違った動きなのかなとも感じています。特に様子が違うなと感じているのはトラッカージャケット。いわゆるGジャンですが、古着ブームやヴィンテージブームも後押しして、改めてGジャンの魅力に触れている方も多いことでしょう。
今回はエッセンスでも特にクオリティが高いと感じるリノのGジャンについて、新作が届きましたのでご紹介していきます。

 

過去にも別モデルのBRENDAのご紹介をしていますので、そちらも併せて読んでみてください。
こちらの記事はリノのメーカーさんにも読まれたらしく「良く書けている」と太鼓判をいただいたらしい(人づてに耳にしました。ありがとうございます)ので参考になるはずです。

 
 
 

LENO / リノ
PATRICIA BIG TRUCKER JACKET
H2301-JJ004A
¥41,800

以前ご紹介したBRENDAは1stのトラッカージャケットをモチーフにしていましたが、このPATRICIAは2ndのトラッカージャケットをモチーフにしています。オフィシャルによれば「1950〜60年代前半時期」と明言していますので、リーバイスの507XXが元ネタと見て間違いないと思います。

 
 
 

2ndは1stには無かった右胸のフラップポケットの追加とシンチバックの有無が最大の区別となっています。オリジナルのシルエットは1stより2ndの方が細身になっていると言いますが、リノの場合はファッション性も加味されているせいか、体感的にはBRENDAとPATRICIAでそこまで差は感じませんでした。
Gジャンって「袖山」といって山が低い(袖の角度が水平に近い)ので腕を上げても苦しくなく、思った以上に運動性が高いジャケットなんですよ。画像で見ると肩に角がなく自然と腕が下がる程度の袖付けになってますね。これが例えばスーツのジャケットなんかは袖山が極端に高く、平置きすると袖は下を向きます。美しさが最重要項目なので腕を下げた時に無駄のない形を目指したものとなっています。
ちなみにポケットのフラップ裏はライトオンスのデニム生地が貼ってあり、これもオリジナルに倣った仕様です。

 
 
 

1st(BRENDA)では腰にシンチバックと呼ばれるベルトがありました。2nd(PATRICIA)ではそちらが無くなっています。その代わりにサイドアジャスターが備わり、腰位置にアクションプリーツが採用されています。
他の違いと言えば、1st(BRENDA)で首位置に革パッチをあしらっていましたが、2nd(PATRICIA)にはありませんでした。これはオリジナルでも1stから2ndに変わる時、革パッチ→紙パッチに移行したことと符合しますが、PATRICIAはなぜか紙パッチを採用しなかったようです。

 
 
 

肝心の生地は力織機で織られた13.5ozのオリジナルデニムです。
良いデニムの背景には必ず「力織機(りきしょっき)」が存在します。生産効率は悪い、経糸と緯糸のテンションが揃わないなど、過去の技術が故の不均一でコストの見合わない機械であるのは間違いありませんが、逆にデニムにはそれが独特の凹凸として表情を与えることや、そもそも本来のセルヴィッジデニムは力織機でしか作れないことなど、いわゆる良いデニムの代名詞として必要な条件です。

 

赤耳はBRENDA同様、前身頃の見返しに使われています。しっかり力強いデニムの質感を味わえますし、洗ってあるのでふっくら柔らかい風合いを買った時から味わえます。かつ、ここから更に色落ち・アタリなどのエイジングが楽しめます。これまでのBRENDAなんかで加工されていたフェードインディゴと違って、比較的色が濃く残った「エイジドインディゴ」として再現されているのがポイントです。
サンフォライズ加工をした防縮済みの生地のため、洗ってもほぼ縮むことがありません。

 
 
 

身幅・肩幅広めで着丈短め、というGジャンらしいフォルムは活かして現代的なサイジングにリサイズ。例によってTバック仕様で登場です(こちらも過去のブログを参照してください)。

 
 
 


スタイル 1

王道なのはGジャンに軍パンですね。いかにもアメカジといった風貌で、今は古着の認知のおかげでかなり若いゾーンから、当時を知るタイムリーな世代まで幅広く支持されるスタイルとなりました。
ジャケットもパンツもどちらかと言うとヘビーなので、インナーはシンプルにカットソーが良いかなと思います。

アウター:LENO|PATRICIA BIG TRUCKER JACKET|サイズ2
インナー:ATON|FRESCA PLATE OVERSIZED T-SHIRT|サイズ04
ボトムス:marka|BAKER PANTS – ORGANIC COTTON BACK SATIN|サイズ2
シューズ:VANS|AUTHENTIC
(170cm/60kg)

 
 
 

近年のビッグシルエットの定着以来、どでかいシルエットのトップスは山ほどあるんですが、Gジャンってそのベースになるシルエットの着丈が結構短くて、オリジナルシルエットですとベルト位置くらいの短丈なんですが、こちらはそこまで極端な形ではなく程よい長さにしてあります。それでも短めは短めなので横幅のあるフォルムを引き締めてくれます。

 
 
 

Gジャンのインナー選びで最高なのは無地の白Tじゃないかなと思います。リジッドやワンウォッシュですと色移りが心配でなかなかやりづらい組み合わせなんですけど、こちらは洗いきって色も落としてるため、移りにくくはなっています(雨なんかで濡れちゃうと移ってしまうとは思います)。どの時代でも使われてきたコンビですが、Tシャツも大きめで着丈も少し長めに出してあげると、いかにもなアメカジスタイルとはまた違った印象で重ねられるはずです。

 
 
 

ベイカーパンツはドカンと太めだとやっぱり合うなあと思います。
アメカジをそのままトレースすると味付けがコッテリしてくどくなりがちなので、これをあまり泥臭くしないためにも白Tは効果的です。ブーツじゃなく高さのないヴァンズのオーセンティックみたいなスニーカーで白要素を増やしてあげるのもいいと思いますね。色合いとしてはインディゴ×グリーンってめっちゃ爽やかなので、春はやりたくなります。白ならどちらの色も邪魔をせず、しかも清潔感を与えてくれるのでおすすめです。

 
 
 


スタイル 2

今度はトラウザーパンツと合わせたスタイル。少しヨーロッパみのある色とモノ選びにしています。
マーカウェアのパンツの中では細めなペグトップパンツで上下のメリハリをつけると、Gジャンのボリューム感を活かせると思います。きれいめに寄せてもGジャンは使えますよね。スニーカーもいいですが、ちょっと革靴っぽいクラークスを混ぜるとブリティッシュ要素が増えて、よりユーロ色強めです。

アウター:LENO|PATRICIA BIG TRUCKER JACKET|サイズ2
インナー:UNIVERSAL PRODUCTS.|T.M. STRIPE REGULAR COLLAR L/S SHIRT|サイズ2
ボトムス:MARKAWARE|PEG TOP EASY PANTS – SUPER 120’S WOOL TROPICAL|サイズ2
シューズ:Clarks|Weaver GTX Maple Suede
(175cm/65kg)

 
 
 

インディゴ×ブラウンやインディゴ×ベージュってお互いの色を引き立て合うので永久に無くならない組み合わせだと思います。
今回の場合は上半身がブルー系、下半身がブラウン系で大きく2色構成にしたのですが、前にも少し触れたことのあるイタリアでの定番の色合わせ「アズーロ・エ・マローネ」って言われる配色構成です。色はユーロだけど、モノはアメリカン。自分好みのスタイルです。割と大人っぽくて50台オーバーの方がしていてもなんら無理がないですね。一方20歳前後で着ていても不自然じゃありません。

 
 
 

バランスの良いサイジングで肩の傾斜も過剰じゃなく落ちてくれます。しっかり太さのあるアームからスッキリした手首にかけてのラインや、やはりTバックのバックスタイルが魅力的に映ります。ストライプのシャツを合わせてアイビーっぽい雰囲気にしていますが、前述のように白Tでももちろんアリ。

 
 
 

Gジャンはワークウェアのひとつ。明らかなカジュアルウェアなんですが、タイドアップするスタイルでもよく使われます。スウェットやパーカなどで合わせるとアメカジ色に拍車がかかりますが、敢えてそうしたものとは距離を置くと制服っぽいキチッとした感覚で使えます。スラックスと合わせるとなお良し。

 
 
 


スタイル 3

化学繊維系のパンツを使うのも今らしくていいですね。先にご紹介しているブログでも同様にナイロンパンツと合わせたスタイルを提案しています。
「守破離」で言うなら軍パンスタイルが「守」、トラウザースタイルが「破」、そして化繊のパンツが「離」といったところでしょうか。それぞれに良さがあって、Gジャンが一枚あればいろんなバリエーションのパンツが活かせるというのがよく分かります。

アウター:LENO|PATRICIA BIG TRUCKER JACKET|サイズ2
インナー:STRIPES FOR CREATIVE|BASIC S/S TEE|サイズL
ボトムス:nonnative|DWELLER EASY PANTS POLY TWILL|サイズ1
シューズ:tabito|Leap Trainer
(170cm/60kg)

 
 
 

先にご紹介した2つのスタイリングとは明らかに毛色が変わった印象になりましたね。シルエットも大きく、実際に重量も感じるGジャンが軽やかに着こなせるのが化繊パンツの持ち味です。色はインナーやシューズも含めてホワイトから明るめのグレイッシュなトーンでまとめ、インディゴがより強まるような配色です。

 
 
 

こうしたモロにアメリカンなアイテムを主軸にした時に、それを打ち破るようなアイテムと合わせることで中和効果を狙って今らしさを与えるのが個人的には突き刺さります。例えばブロックチェックのネルシャツにナイロンパンツとか、メルトンコートにスウェットとか、スラックスにオールスターとかそういうギャップも同じことが言えるでしょう。

 
 
 

王道なら多分レッドウィングの赤茶のアイリッシュセッターなんでしょうけど、もし革靴で合わせるならローファーやデッキシューズやモカシン系で攻めたいところ。スニーカーならちょっとひねるといい塩梅。タビトの足袋シューズがいい感じでした。普通にバッシュやコートシューズと合わせた時よりも妙にドレッシーなテイストになりませんか?ナイキ エア リフトなんかも同様の効果を狙えますね。

 
 
 

リアルヴィンテージの507XX、しかもTバックとなるとプライスがとんでもないことになってるのでなかなか手が出ません(そもそも2ndのTの球数はこれでもかというほど少ないそうです)が、それを再現力のあるブランドがこうして展開してくれるだけでも嬉しいですね。今着やすく他の洋服に馴染みやすい点はレプリカとは違った魅力です。
Gジャンは春の気候にも天候にもバッチリですので、春アウターをお探しの方はぜひ手にとってみてはいかがでしょうか。

 
 
 

 
 
 

WRITER N

ディレクター
よく着るブランド:MARKAWARE・nonnative・NIKE
好きな音楽のジャンル:シティポップ・ダンス/エレクトロニック
好きなアニメ:エヴァ
特性:静かに面白い事を言って爆笑を取る