これまで何足ものスニーカーを使ってきた筆者自身、一番「美しい」と思うのは結局履き込んだ〈コンバース〉のチャックテイラーなのではないかと感じています。
足首にスッと収まるシェイプや、無駄が一切ない完璧なアッパーとソール。100年前に生まれた「オールスター」が今も最前線で活躍しているスニーカーであること自体が完成度を物語っていると言えます。
本記事では日本の独自規格によって生まれ、1960年代のチャックテイラーを下敷きに最新のテクノロジーをもってして再現し続ける〈コンバース アディクト〉をフィーチャーし。毎年2回の新作発表のうち、2022年のホリデーコレクションをご紹介します。
2008年に2足のチャックテイラーを発売して以来、これまで約90足ものモデルをリリースしてきた〈コンバース アディクト〉の2022ホリデーモデル。
ここでお伝えしたいのは「良いものを知る目がある人には手にとってもらいたいスニーカーである」という点です。
歳をとるにつれ、「いいトシだから」とスニーカーを敬遠してしまう方も少なくないでしょう。ちょっとした話題性のあるスニーカーを選ぶのは気恥ずかしいってこともあると思います。だからってどこにでもあるスニーカーを選ぶ気にはちっともなれません。
筆者が過去に購入した〈コンバース アディクト〉のチャックテイラー キャンバス ハイ
ところがチャックテイラーはどうでしょうか。小学生も履いている〈コンバース〉の名品オールスターが源流となるシンプルなハイカットスニーカーで、誰もが知ってるスターマーク、履けばくたびれるコットンキャンバス。でも履いた先に味わいがあることを知るのは歳をとってからだったような気がします。
そう言えば、昔買った〈コンバース アディクト〉のチャックテイラーがそういう気にさせてくれたのかもしれません。
ネイビーブルー
初登場となるストレートなネイビーカラー。ありそうでなかったクリーンでフレキシブルなチャックテイラーはファン垂涎の的です。ほんのり赤みがかった生成りのソールも他のモデルと異なるディテール。過去モデルと見比べてみてください。
ピンク
ハイカットでほぼ同色のカラーが存在していたり、淡いカラーでの登場など、度々リリースされてきたピンクも再び登場しました。とっつきにくく思われそうな突飛な色も、実は古着や自然なスタイルにすんなりハマってくれる好カラー。
ブラック
ジャックパーセルを含めて過去に9回のチームアップを果たしてきた〈エヌハリウッド〉と今回もコラボレーションしています。2020ホリデーモデルで展開したハイカットモデルをローカットで再度フックアップ。スエードのアッパーやアイレットの一部にレザーパッチ&ピスネームをあしらったミニマルなディテール構成は健在です。
他のスニーカーとは決定的に違うのは、引き締まったシルエットやスーツにも抵抗なく合わせられるグローバルな価値観が根付いたデザイン。いつもなら敬遠してしまう星のマークも、70年以上前から使われているチャックテイラーなら納得してしまいます。
さて、オールスターとチャックテイラーの違いというのもマニアックな話なので割愛しますが、知らない方に何が違うかを問われたら「あなたが知っているオールスターとは別物だから、まずは履いてみなさい」と言いたいです。それくらい乗り味が違います。見た目はクラシックカーなのに中身は最新カーといった具合。
見た目良し、履き心地良し、使い込んでも良し、履く人を問わない。そんな夢のようなスニーカー。リピーターが多いのもうなずけます。知らない人はまず知ってみてください。そこから〈コンバース アディクト〉の遍歴がスタートするのです。
