スーツの小話 Vol.2

NO IMAGE

今井です。

 

本日は見た目にもわかるジャケットのラペル、本切羽、ベントについて書いていきます。
まずはラペル。

ラペルとはジャケットの下襟の事。

元々は軍服が原点となっているジャケット。当時の兵士達は窮屈な軍服を少しでも楽になるよう、ボタンを空け、きれいに折り曲げ、胸元を開いたスタイルから今の形へと変わってきているのです。その折返した下襟をラペルと呼んでいます。
(上襟はカラーと呼びます。)

 
ラペルにはノッチドラペル、ピークドラペルがあり、一般的にはノッチドラペルが採用されています。上記写真はノッチドラペルです。
 
ピークドラペルは剣襟と呼ばれ、下襟を大きく上げているのが特徴。ダブルブレステッド(ジャケットの前合わせのボタンが二列になっているもの)ではピークドラペルが採用されていますが、現在ではお洒落として、一般的なジャケットにも用いられており、結婚式やパーティーなどで着用する方も増えています。
 
また襟元についてもう一つ。
ラウンジリザードのスーツでは、カラーの裏側部分の首元のラインに合わせてかぶせる様にフェルトが後付されている襟がございます。

こちらですね。

名称はかぶせ襟といって、高品質の証となっています。

ラウンジリザードのオーダースーツでは、シーンに合わせて作って頂けるよう、ノッチドラペル、ピークドラペルどちらでも選べます。

 

続いては、本切羽

襟口に切り込みがあり、袖ボタンの開閉ができるような襟口。

ハンドメイドの代名詞的ディテールですね。
元々ジャケットには飾りのボタンしかついていなかったのになぜ、本切羽仕立てができたかというと、昔ヨーロッパではジャケットを脱いではいけないのがルール。
 

なぜなら、ジャケットが上着でシャツは下着だから。ジャケットを脱いでは下着姿をさらしてる事になるんですね。
 

でもどうしてもジャケットを脱ぐか、腕をまくらないといけない職業があります。それはドクター。袖が邪魔で仕事になりませんよね。しかし仕事だからとは言え、下着姿をさらす訳にはいきません。
 

そこで、ジャケットの袖のボタンの開閉ができるように仕立てのがはじまり。確かにヨーロッパの医者はかっこ良く見えたりしますね。そのイメージからかはわかりませんが、本切羽にはドクタースタイルと言う別名もあるんです。

 

ドクタースタイルと言って良いのでしょうか。

ラウンジリザードのスーツはもちろん本切羽仕立てです!!

またラウンジリザードでオーダーすると10類以上の裏地からお好きな裏地を選ぶ事ができ、袖裏と身頃の裏地も別々にできます。

つまり、普段ハンガーなどでかけている時に、身頃から見える裏地を無地にして、普段は見えない袖裏をストライプや柄物にして普段着として袖まくりで着た時に遊ぶ事ができるのです。

僕は普段からジャケットを袖まくりする事が多いので、裏地を選べるのはうれしいですね。

画像で僕が着ているのは、学生の頃に愛用していたラウンジリザードのジャケットです。もちろん今でも愛用しています。

 

最後はベントです。

裾後ろ部分に入った切り込みの事ですね。
昔の兵隊が馬に乗りやすいように兵隊服の後ろ側に切り込みを入れた名残なんです。
ベントの種類は基本2種類。真ん中に1つのセンターベント

両脇2つのサイドベンツ

この二つがあります。またセンターベントの上部がフック状になったフックドセンターベントがあります。
こちらはアメリカの「国際衣服デザイナー協会」が55年に発表したスーツのモデルで、その時のベントの仕様がフックドセンターベントです。アイビーリーグと言われる、フットボールリーグを構成する米国東部の有名私立大学の学生たちが好んで身に着けていたスーツを一般化したもので、別名アイビーリーグモデルとも言われています。