ビッグシルエットのバランスを整えるショート丈!MARKAWAREのSHORT JACKET

ビッグシルエットのバランスを整えるショート丈!MARKAWAREのSHORT JACKET

こんにちは。Nです。
今回はマーカウェアの新作ジャケットのご紹介です。今までにありそうでなかった新型となるショートジャケットは、スイングトップのように身幅が広く着丈が短いシルエットと、襟を隠してスタンドカラー化できる2WAY仕様という特殊なディテールをもったデザイン。シャツやカットソーが大きい今のトレンドの中では実はこういったショート丈のジャケットは結構重宝するもの。
公式にはこのアイテムを「スポーツジャケット」と定義しているので、ヴィンテージのスポジャケをミニマル化・現代化したデザインなのだと思います。

 
 
 

MARKAWARE
SHORT JACKET – BIODYNAMIE GIZA x SILK TYPE WRITER
A21A-01BL01C
¥74,800

マーカウェアの中でもなかなかに珍しい、シルク混のコットンタイプライターを使ったジャケットです。タイプライターのパリッと硬さのある質感の中にツヤと羽のような柔らかさが加わった美しい生地。デザイナーの石川さんによれば、ツヤそのものはシルクの影響ではなくコットンが良い材料だから出るのだそう。男っぽさの強いスイングトップの雰囲気を和らげる生地使いに加えて背中に丸みを出すプリーツの入れ方をし、無骨さを払拭したデザインです。

 
 
 

見た目はシンプルながら随所に光るデザイナーのこだわり。例えばこの柔らかい生地を引き締めるかのような袖や裾の幾重にも重ねたステッチワークは、広い身幅や袖幅をキュッとまとめる役割があります。メリハリのあるシルエットを形成することでオーバーサイズにも対応しながら、スタイリングをキチンと整えてくれます。

 
 
 

アウター:MARKAWARE SHORT JACKET – BIODYNAMIE GIZA x SILK TYPE WRITER(サイズ2)
ボトムス:MARKAWARE CLASSIC FIT TROUSERS – ORGANIC WOOL TROPICAL(サイズ1)
シューズ:NIKE BLAZER LOW ’77
その他:私物

二の腕付近は大きくとっていて、なおかつ腋下はガゼットのような生地を一枚切り替えてあり窮屈さとは無縁です。このおかげでセットインスリーブにもかかわらずそれを起因とする突っ張りを感じさせない設計。肩の後方にはダーツを入れて立体的処理を施しています。これらで運動性とフィット感を向上しています。

 
 
 

このジャケットの特筆すべきディテールは襟の収納でしょう。通常の襟を内側に折り込むことで襟の下に隠れていたスタンドカラーが見えるようになり、2つの表情で楽しむことができます。襟の形を楽しむだけじゃなく、フーディーやマフラーを巻く時のように首元にボリュームが出る場合はスタンドカラーにして収まりを良くする、なんてこともできちゃいます。

 
 
 

裏地を貼ってあるため生地の膨らみ感も出やすくよりマイルドなフォルムに。先程も書いたように背中の特に下方向が丸くなるようにできており、シルエットの妙が味わえます。ショート丈ですと今のサイズ感の渦中ではちょっと物足りなさも感じる方もいるかもしれませんが、こういったボリュームアップの工夫によってバランス良く、かつオーバーサイズとの馴染みを良くしているように感じます。
オーバーなトップスにはオーバーなアウター、という選択肢しか無かった中でこれくらいの丈感があると引き締まったスタイルが増え、着こなしの幅がかなり広がることでしょう。

 
 
 

ワイドパンツを使いながらシャツのタックインをすると、良い意味で落ち着きのある通っぽい雰囲気が出ます。ビッグシルエットというだけではなくて、メリハリを出す着こなしにすれば大人らしく着られますね。クラシックな洋服はそれだけで上品に見えるため、ワークウェアやスポーツウェアだとしてもそこまでカジュアルダウンしたようには感じさせません。

 
 
 

このジャケットに使われているタイプライターはインドの〈SEKEM(セケム)〉が作っている「ギザ・ビオディナミ」というオーガニックコットン、シルクはブラジルの〈JAMAISU VU(ジャメヴ)〉が作っている「ブラタクシルク」を採用。
ギザ・ビオディナミは現在デザイナーの石川さんがお気に入りのサステナブルなコットン。化学肥料や農薬を使わずに育てたコットンです。農場そのものを「個」と捉えて外部からの刺激を一切許さない、という「バイオダイナミック農法」に基づいています。コットンではなく生産システムを生命体と規定したユニークな考え方です。ちょっと哲学チックな考えなんですが、あくまで概念であって恐ろしいものではありませんのでご安心を。
また、ブラタクシルクは日本がもともと盛んだった養蚕業をブラジルに伝播し、それが逆輸入のような形でブランディングされたものです。シルクには等級があるそうで、その中でもトップランクの「6A」のものだけを使っているのだそう。

 
 
 

ヴィンテージのジャケットのように使い込んでくたびれていくのが楽しみにもなる上質な生地と形。この丈感っていうのはライダースやGジャンのようなバランスに近く、トレンドが大きくうねる中においても案外長生きなのでぜひぜひ長く愛用していただきたいです。50代、60代になっても無理することなく着用いただけると思います。