街着にも最適!プロが愛用するTilakのマジモンのシェルアウター、STINGER JACKETをご紹介します

街着にも最適!プロが愛用するTilakのマジモンのシェルアウター、STINGER JACKETをご紹介します

こんにちは。Nです。
2022SSよりESSENCE(古町本店とオンラインストア)で取り扱いがスタートしたティラック。名前は知っているかも知れませんが、どんなブランドか、改めて掘り下げていきます。また、今回フィーチャーしているスティンガージャケットについても触れていきます。

 

ちょっと長めですがお付き合いください。

 
 
 

Tilakとは

Tilak(ティラック)はチェコ共和国に拠点を置くアウトドアブランドです。創業は1986年とアウトドアブランドにしてはそこまで長くありませんが、チェコ国内の自社工場にて全ての工程を行い非常に品質の高いものづくりを今も続けています。本格的なアウトドア製品はもちろんのこと、軍納入品も請け負っているのがティラックの特徴です。
歴史やポジション的に近いものでいえばカナダのアークテリクスですね。ティラックのトラベルラインにPOUTNIK(ポートニク)というレーベルも存在していますが(加えてタクティカルというミリタリーラインもあります)、アークテリクスにも都市生活向けのコンセプチュアルなラインであるVEILANCE(ヴェイランス)があります。この分け方も似ています。ただの共通点というだけで全く違うブランドなんですが…。
ポートニクに関してはESではティラックと同じページにて掲載していますのでご確認ください。

 
 
 

付属する紙タグに書かれた「CRAFTED WITH PRIDE」の文字が誇らしげ

なぜチェコ製?

先にも触れたようにチェコのブランドで、なおかつチェコの自社工場がにて生産を続ける貴重なブランドです。
メイドインジャパンやメイドインUSAと聞けばなんとなくモノづくりの指標になると思うんですが、メイドインチェコって聞き馴染みがないですよね。私もほとんど聞きません。
しかも現在のアウトドアメーカーのほとんどは中国を始めとしたアジア圏に工場を構えているのが普通です。しかもそれもかなり高品質なものづくりができています。パタゴニアやザ・ノース・フェイスもベトナム製が多いですね。でもモノは良いですよね(取り扱っていないブランドを褒めちぎるのもどうかと思いますが…)。

 

ではなぜチェコの自社工場にこだわるのか。理由はチェコに誇りがあるから、という点以外にないでしょう。先の紙タグの記述にも確認できますし詳しくはチェコのオフィシャルブログなるもので記事があったのですが、そこから引用しますと

 

「ローマンはとても情熱的で几帳面、細部に拘る完璧主義者。その他スタッフもその影響からか、自分の仕事にプライドと責任を持ち、熱く接してくれます。基本ワークタイムは早朝5時から昼の2時まで。理由は朝が最も集中力が増し生産効率が良く、また昼過ぎに終える事で家族との時間やプライベートを有意義に過ごせるからと。」

 

ローマンというのはティラックの創業者で登山家のローマン・カムラーのことです。完璧主義でありながら、一方で生産者たちの生活のことも考えた勤務形態をとるなどメリハリのある経営をされているのが分かります。
生産国、工場の規模、従業員数から結果的にティラックの生産量は限られます。アジアンメイドを主としている大手アウトドアメーカーは大量に生産ができるのに対し、自社工場はキャパシティが決まっているので、流通量は必然的に少ないのです。大げさかもしれませんがその分、一点一点に魂がこもっていることの裏返しと読み取ることもできます。

 
 
 

公式サイトに掲載されているクライミングの様子

ティラックといえばシェルジャケット

アウトドアやミリタリーというように、直接生命に関わるシチュエーションに身を置く際に必要なもの、という設計順序を考えると余計なものはどんどん取り除かれていき、無駄のないデザインが出来上がってきます。特に重要なジャケット類に関しては本当によくできたものとなっており、男性にとってみればとりあえず一枚あるといついかなる時も役立つものとなるでしょう。
軍モノの古着が魅力的に映るのはデザインに無駄がなくそれでいて実用性は十分であることが大きなポイントにもなっています(今はたまたまトレンドの波がぶつかっていますね)。
特にティラックのシェルアウターはフード、ポケット、スリーブ、どれをとってもマジモンの一級品です。ここまでストイックな製品はESの取り扱いでも実績が無かったかもしれません。

 
 
 

Tilak
Stinger Jacket – 2Layer GORE-TEX Paclite®Plus
001
¥63,800

さて、ようやくスティンガージャケットのご紹介です。
このモデルはティラックのクライミングチームが愛用しているモデルとしてもアナウンスされているように、ブランドのシグネイチャーモデルと言っても良いかもしれません。肩周りの独特なカッティングからくる運動性の高さや、バックパックのハーネスが干渉しないチェストポケットの配置、ハンドウォーマーポケットの廃止といった特徴的なディテールが盛り込まれています。

 
 
 

語るべきポイントがありすぎるので全部には触れませんが、私個人として見ていただきたいのは、やはり意味のあるデザインしか無いということですね。それによってデザイン水準が非常に高くファッションブランドとは一線を画するパワフルな魅力を感じざるを得ません。
特にネックの立ち上がりやバイザー付きのフードの形には引き込まれます。バイザー折り返すことができますので、被っていない時は後頭部に当たらないように畳んでおくと良いでしょう。

 

シェルにはGORE-TEX Paclite® Plus(ゴアテックス パックライト プラス)を採用しています。
そもそもゴアテックスのパックライトシリーズは裏地がない2層構造を基本とし、”プラス”はその進化版として2019年にローンチされたばかり。
裏地が無いのでメンブレンむき出しの裏地になる代わりに、肌への当たりを快適にする凹凸のある表面加工を処理してあります。ですので、Tシャツの上からでも張り付いたりせず快適です。
しかもゴアテックス パックライト プラスはGORE-TEX STRETCH(ゴアテックス ストレッチ)であることが標準装備のようで伸縮性があります。といってもグイッと伸びる感じではなく、ほんのりサポートする程度の伸縮性。スティンガージャケットの場合、もともと設計的に動きを妨げにくいため、過度な伸縮性は不要でもあります。

 
 
 

もちろん3層より2層の方が軽く柔らかいです。Lサイズでも320g程度しかありません。単純に缶ビールより軽いということになります。iPhone13 Pro Maxが約240gですのでスマホ一個と大差なくなってきています(スマホが重くなってきてるんですけど)。
画像からは伝わりづらいかもしれませんが、おそらく皆さんが想像している以上に軽いです。ゴアテックスと聞くと想像するバリッとした硬いシェルではなく、サラッとしています。着るとフワッとします。

 
 
 

そしてもちろん防水・防風・透湿性が高いのがゴアテックスの最大の特徴です。3レイヤー(3層)に比べると流石に性能は下がるものの、それを補うほどに軽く、柔らかく、動きやすいです。クルッとまとめてカバンに突っ込んでおけばいざという時に頼りになる相棒です。2レイヤー(2層)ですが裏にはシームシーリングも施され防水面では文句なし。雪山以外の登山はこれでまかなえるほどに高性能です。クライマーやアルピニストが使うくらいですので間違いなさそうですね。

 
 
 

フロントファスナーはダブル仕様。このファスナーは軽量で冷えも感じづらいYKKのビスロンファスナー(樹脂ファスナー)で「Aquagard®」というモデル。止水ファスナー類にありがちな上げ下げの引っかかりもなくストレスがありません。ファスナーは完全防水ではありませんのでご注意ください。

 
 
 

二の腕からあばらにかけてガバッと開くベンチレーションファスナー。ゴアテックスは透湿性に優れていますが、さすがに開いた窓には換気は勝てません。熱のこもりやすい腋回りをダイレクトに通気させ体温調整させることができます。街中ではさほど必要のないディテールだと思いますが、フィールドではマスト。

 
 
 

ネックの高いジップアップのため、ファスナーのトップ部分には顔が当たっても良いようにマイクロフリース地が当てられています。また、呼吸時はここに蒸気がこもり水滴化しやすくなるのを防いでくれる役割もあります。

 
 
 

これはもはや余談レベルではありますが、内タグはプリントではなく刺繍ってところが個人的にはグッときます。ちなみに国内代理店はバーリオさんです。

 
 
 

トップス:Tilak Stinger Jacket – 2Layer GORE-TEX Paclite®Plus(サイズL)
ボトムス:LENO LOOSE TAPERED JEANS(30インチ)
シューズ:NIKE NIKE AIR MAX 95 (SEQUOIA)
スタッフ:身長177cm、体重55kg

この手のシェルジャケットっていうのはレイヤリングが前提にあり、ジャケット自体に保温性はありません。あくまで「殻」であり、その下に暖かいものを着込んで体温調整を行う、という考え方です。よってアームやボディは着込める程度に余裕があります。ティラックも普通のサイズ感で考えると1サイズ大きいなと感じると思います。むしろそこが今っぽさでもあります。
私ですとMでも十分に着られましたが、さらにサイズアップしてLを着ました。袖・裾を絞れるのでサイズを上げてもたるまずに済みます。

 
 
 

こちらのブログの最後の方にも書いたことがあるように、2022年はシェルアウターをキーアイテムとしてスタイルを考えたいなと思っています。その時にも書いていて、やりたかったスタイルが今回のデニムとのコンビネーションです。
最近のメンズでは同じ生地、同じ色でのセットアップ提案がかなりの市民権を得たことで、統一感のあるスタイルを作ることが増えました。事実、ESでもかなりの割合でそうしたスタイルを組んでいます。
この理にかなったスタイルとは別に、90年代後期から00年代の雰囲気やネオヴィンテージ的な流れを背景に持ったスタイルというのが今回のもの。90年代の日本といえば、ストリートシーンが隆盛を見せだした頃で、多くのファッションブランドが出てきた時代ではありますが、スタイルとしては成熟していませんでした。その頃からワンステップ上がったのが00年代初期だったかと思います。
ただし色合わせは一応ブルー×グリーンというルールで行なっていまして、色使いとしてはメインが2色、加えてホワイトとブラックという構成です。

 
 
 

時代背景を考えて足元にはナイキ エア マックス 95をチョイス。淡いブルーからグリーンを基調とした美色モデルです。こいつが非常に良い色。チョコミントみたいでもあり、爽やかすぎる一足です。おすすめです。個人的には久々にヒットした好配色のAM95ですね。

 
 
 

シェルジャケットを開けて着る、というのも世紀末前後の雰囲気を踏襲できます。スティンガージャケットは本当に軽いので、羽織りとしても優秀です。ゴアテックスのおかげで雨はしのげますし、汗をかいても蒸れません。しかもパックライト プラスだから薄くて柔らかい。街着としては十分すぎるパフォーマンスです。

 
 
 

ダブルファスナーによって首元はタイトに、裾先はルーズにといった着こなしも可能になります。これによって全開に比べて比翼のバタつきも防ぐことができますし、簡易的なベンチレーションとしても機能します。
にしてもリノのルーズテーパードジーンズは本当に良いシルエットですね…。素晴らしすぎますね。このシルエットでセルヴィッジデニムってのもヤバいです。色も今っぽく柔らかな色合いの明るいインディゴ。程度の抑えたエイジングで垢抜けてます。

 
 
 

唯一の収納はチェストポケット。サイドにファスナーを設置したポケット口です。ハンドウォーマーポケットが無いのはバックパックのハーネス干渉の都合からですので仕方がありませんが、軽い生地の場合、重心が上にあった方が着心地の悪化が防げます。ですので胸周りに収納スペースがあるのは合理的。

 
 
 

引き続き「シェルアウター」のカテゴリーに注目しています。それもマジなやつです。ティラックはもちろん、ゴールドウイン、アークテリクス、ザ・ノース・フェイス、ラブのように専門的なブランドが作ったものっていうのが個人的にかなり注目したいアイテムです。
うちではタウンユース向けに揃えて入るものの、「ちょっとしたアウトドアにも」ではなく「本気のアウトドア」に特化しているマジなヤツですので、街から山まで本当の意味でシームレスに対応するジャケット。一枚手にしてみてはいかがでしょうか。
次回はゴールドウインのジャケットを取り上げてみたいと思います。

 
 
 

 
 
 

WRITER N

ディレクター
よく着るブランド:MARKAWARE・nonnative・NIKE
好きな音楽のジャンル:シティポップ・ダンス/エレクトロニック
好きなアニメ:エヴァ
特性:静かに面白い事を言って爆笑を取る