G-SHOCKが欲しい人のブログ3(最終回) 〜究極のG-SHOCKを買いました〜

G-SHOCKが欲しい人のブログ3(最終回) 〜究極のG-SHOCKを買いました〜

こんにちは。Nです。G-SHOCKが欲しい人のブログです。
前回の記事から丸3年。時が経つのはあっという間です。タイトルの通りようやく欲しいG-SHOCKが決定し購入に至ったので今回が最終回となります。結論は後述しますが、自分がなぜG-SHOCKを改めて手にしようと思ったか、どういう悩み方をしたか、過去記事も踏まえてまとめておきます。

 

長い記事ですが、ほんの少しでもG-SHOCKに興味がある方はぜひ最後までお読みください。

 

 
 
 


 

そもそもなんでG-SHOCKに惹かれるのか

G-SHOCKは男の子の究極的なオモチャとも言えなくもない時計。その中でもメカっぽい感じが琴線に触れるというのは一つあるでしょうし、「強くてカッコいい時計の象徴」と捉えることもできます。「世界中のミリタリーが身につけている」とか「キアヌ・リーブスが映画で〜」とかそういった決まり文句も興味をそそる要因でしょう。加えて高スペックながらとても買いやすい値段です。

 

普段から気軽に身につけられ、人によってはスーツにさえ合わせる時計ですが、もし世界が崩壊した時、ゾンビで溢れかえる世界が待ち受けている時、地震で家を失った時、持っていたい時計は絶対にG-SHOCKです。
自分は被災地の出身でもあるので、こういう極端に生活が脅かされるシーンというのがモノ選びの際にもたまに頭をよぎります。

 

エレガントな時計ってすごく好きなものがたくさんあるんですけど、あまり自分には似合っていないなという自覚もあります。あくまで好きなものと選ぶものは別。自分にはツールウォッチの方が性に合ってるようです。

 
 
 


GW-M5610U-1JF

海外旅行用にマルチバンド6搭載モデルが欲しかった

最初にG-SHOCKが欲しい人のブログを書いたのが2020年2月。つまりパンデミック直後くらいのタイミングです。この頃はまだここまでの規模になるとも長引くとも想定しておらず、その年に海外旅行をするつもりでいました。
そんな折、身軽で強くて、どこにいても時刻が勝手に合うGW-M5610Uの購入を検討していました。しかし、その後の緊急事態宣言を受け目的も失ったために購入を中止。

 
 
 

GW-M5610Uの渋みのあるポップさが好き

機能もさることながら、赤いラインや野暮ったいフォントを使った文字盤のデザインが好きで選ぼうと思っていました。
何十年も前からほとんどデザインの基礎を変えることなくありつづけたことで、時代を飛び越えた価値のあるデザインを証明してきた、いわゆるスピードモデル。これが数年おきにモデルチェンジをしてきたなら、今のポジションはなかったでしょう。当時のかっこよさが今も通用するのは不思議な感覚です。80年代のポップさは今ではちょっとした渋みさえ感じます。

 

ちなみにこいつは最近G-SHOCKフェアで熱の入ったESSENCEスタッフ岡崎の私物です。G-SHOCK選びを悩んでいた3年前、岡崎氏が購入したこともあり自分はGW-M5610Uの購入をやめました。被ってもいいんですが、決断すべき時期は逃した感はありました。

 

 
 
 


GW-5000U-1JF

3年悩んで出た答え

2020年にブログを書いてからというもの、どのG-SHOCKを選ぶべきかを考えてきました。
考えに考え「これこそが究極的なG-SHOCKだ」と導き出した答えはGW-5000Uです。
G-SHOCKは星の数ほどあるので、何を選べばいいか本当に悩ましいですが、1本選ぶならGW-5000Uでした。最も定番として皆が想像するモデルの5600シリーズにはいくつもカラバリがありますが、2023年6月現在、GW-5000Uはこのモノトーンの1色のみです(「5000系」と広く括るとフルメタルやMR-Gなどバリエーションが存在します)。

 
 
 

GW-5000Uとは?

G-SHOCKが誕生したのが1983年で今からちょうど40年前。この時のファーストモデルが5000シリーズのDW-5000Cです。GW-5000Uは現存する唯一の直系子孫にあたります。ただ、GW-5000U自体は2021年7月発売と意外に歴史が浅く知名度はあまりありません。おそらくG-SHOCKを持っている、割と好きって方でも知らない方が多いのではないかという印象です。雑に言えばマニアにはクリティカルなモデルです。GW-5000Uの旧型であるGW-5000は2009年発売ということで、それから数えても14年程度しか経っていません。
一方、G-SHOCKで最もスタンダードになっている5600シリーズは5000シリーズの派生モデルと言えますが、こちらはDW-5600として1987年に発売されており、元祖G-SHOCKのDW-5000C誕生から3年後に発表されています。どちらも同じような外装ですが違いもあります。

 

[初代から続く「5000」という品番の定義とは?]
「国産」「スクリューバック」「ステンレススチールの骨格」であることです。
つまり見た目からだとほぼ違いが分かりません。
※Baby-Gにも5000Uという品番がありますが、この条件には当てはまりません。

 
 
 

GW-5000Uはスクリューバック採用の日本製

▶国産
そのままの意味で山形カシオという部門で生産されています。G-SHOCKの大半が1〜3万円で収まる価格帯で5600に限らず海外生産なのに対して、それ以上のモデルは国産です(2万円台でも一部国産はありますが、大体こういう区別でOK)。

 
 

GW-5000Uのバックルには「JAPAN」の刻印がされています。5600を始めとした海外生産の時計は「CHINA」「THAILAND」などと刻まれています。G-SQUADなどの追加機能が搭載されたモデルは一部3万円オーバーもありますが海外生産です。
画像は上がGW-5000U、下がGW-M5610U。

 
 

▶スクリューバック
時計に詳しくない方に説明すると、スクリューバックはネジを使わず直接裏蓋をねじ込むタイプのものを言います。これにより部品が少なくなったり、高い気密性が保てる利点があります(水だけじゃなくホコリや汚れなども防ぐ役割があります)。現在は多くの機械式時計がスクリューバックを採用しています。角型時計の場合はネジ留めもあります。ちなみに一番最初にスクリューバックを開発したのはロレックスです。

 

GW-5000Uの裏蓋はMT-GやMR-Gなどでも採用されているDLC(ダイヤモンドライクカーボン)という加工を施してあり、強度と色艶のアップをはかっています。
また、スクリューバックの悪い点?と言うかも悩むところですが、蓋そのものをねじ込む特性上スクリューバックにデザインされたテキストは時計の天地に対して正対するとは限りません。私の買った個体ですと裏蓋側から見て1〜2時方向に傾いていますが、もともとスクリューバックというのはそういうものです。

 
5600シリーズは4点ネジ留めですが、これでも十分に機能しますのでぶっちゃけ好みの差でしょう。なんならスクリューバックの方が重さと厚みは出てしまうので、それが嫌な人は5600の方が良いです。自分もネジ留めタイプのG-SHOCKをずっと使ってきましたけど、これのデメリットはほとんど感じたことがありません。
画像は左がDW-5600VT、右がGW-5000U(この2つは両方国産です)。

 
 
 

GW-5000UとGW-M5610Uのサイズ比較

2つのサイズを比較すると…

GW-5000U…縦48.9×横42.8×厚さ13.5(mm)、74.0g
GW-M5610U…縦46.7×横43.2×厚さ12.7(mm)、52g
Apple Watch S8…縦45.0×横38.0.×厚さ10.7(mm)、51.5g(本体重量)

ということで、ミリ単位ではありますがGW-5000Uの方が少しだけ大きく重いです。横幅は実はGW-5000Uの方がわずかに狭いです。
参考までに2023年時点のアップルのアップルウォッチ(シリーズ8)はベルトを除いた本体のサイズがGW-5610Uとかなり近いですし、縦横比だけで見ればGW-5000Uとアップルウォッチはほぼ一致する比率です。いずれも時計のスタンダードサイズであることが伺えます。
メタル構造かつスクリューバックの都合で、GW-50000Uはやや重たく厚みが出ています。

 
 

また、国産G-SHOCKでは多くのモデルでソフトウレタンを採用しており、5600シリーズと異なるフィット感が味わえます。
画像は奥がGW-M5610U、手前がGW-5000U。この2つのモデルのベルトは基本設計は同じで素材が違うだけと言っていいと思います。こうして置いてみると、いかにソフトウレタンが柔軟であるかが伝わるでしょうか。

 
 
 

GW-5000UとGW-M5610Uで共通するモジュール3495

世界6箇所の電波受信で時刻を自動で合わせるマルチバンド6
ソーラー充電が行なえ電池不要になったタフソーラー

 
この2つを特徴にもつ「3495」というモジュール(機械式時計でいうムーブメント)があり、それを使っているのが5600の上位互換になるGW-M5610U。GW-5000Uも同様に3495を使っています。つまり中身は一緒です。

 
 

いずれもLEDバックライトで「フルオートライト機能」を搭載しています。これは暗がりで時計を見ると勝手に点灯してくれる仕組み。手首を自分の顔に向ける時の角度を40℃で設定して反応するようにできているようです。目視で時刻が分かるくらいの暗さですとあまり反応せず、本当に見づらい明るさになった時に機能します。
GW-M5610という「U」が付いていない旧式ですと、LEDではなくELバックライトでした。

 
 

モジュールが影響する液晶画面は全く一緒ですが、文字盤のパネルを比較するとレイアウトは結構違います。配色が違うだけではありません。GW-5000Uの方がテキスト量が減っていたり、より中心揃えを意識したレイアウトになっています。ベゼルを見ても「PROTECTION」の文字の太さが違ったり、4つのボタンの周りの切れ込みや幅の違いがあります。

 
 
 

20気圧はどこまで耐える?

フロッグマンなどの一部ダイバーズウォッチを除いて、G-SHOCKは多くが「20気圧防水」で、腕時計の中でも高水準の防水耐性がデフォルトになっています。「20気圧防水」は潜水時計ではなくあくまで日常生活防水の延長ですが、水上アクティビティ(水泳やサーフィン)ができるくらいには水圧に耐えると思っていただいて間違いありません。プールなんかでの飛び込みは20気圧を瞬間的に超える可能性があるので向きません。
それくらいが境界線なので、ダイバーでも無い限りほぼ全ての水のシーンを気にすることなく使っていただけます。シャワーも大丈夫です。

 
 
 

【余談】G-SHOCKはスーツに合わないは本当?

よく引き合いに出される「G-SHOCKはスーツに合うのか」問題。これには私見があります。
お仕事でカシオのメーカーさんとお会いする時は当然G-SHOCKをされていらっしゃいます。お会いする度にいろんな営業さんがいろんな時計でスーツに合わせているわけですが、どの時計も全くと言っていいほど違和感がありませんし好感しかありません。

 
 

良し悪しは別として、フォーマルな場において「マナーを要求される状況」というのは必ずあります。今後も無くならないでしょう(むしろ大切な文化です)。フォーマルは「スーツにリュック」や「スーツにスニーカー」だってNGです。ですので敢えてその場に踏み込まない方が良いかなとは思います。
では、なぜそうしたドレスコードが成立しているかというと、フォーマルの世界は突き詰めると見栄の世界なので、見栄を張れないモノはふさわしくないという価値観なんだろうなと思うんです。見栄っていうのは畏まって等身大以上の姿に魅せることなので、自分らしさより相手に合わせ、ルールや礼節を重んじるフォーマルな場(ドレスコードの意味で)は概ねそれにあたります。歴史の積み重なった世界では習慣と形式が定まっておりデザインが途中参加できません。
そう考えると確かにG-SHOCKはそうではないですよね。

 

ただそれは場や環境の話であって「スーツという服に似合わないか」は別の話。自分は全く問題ないと思います。下手したらメタル系G-SHOCKよりも薄くてスマートに馴染むラバー系のG-SHOCKの方こそスーツにお誂え向きだとさえ感じます。「服装」という観点で言うなら、特別高級品である必然性は全くないのです。

 
 
 

高い、でも高いだけの理由もきちんとあるGW-5000U

買ったGW-5000UはGW-M5610Uの2倍ものプライスとなり、ラバー系G-SHOCKの中では最も高価な部類です。おそらくGW-M5610Uを買っても十分満足していましたし、最初に候補に挙げていたくらいには好きなモデルです。しかし「究極のG-SHOCK」となればGW-5000Uを手にしなかったらしこりが残ったままだったと思います。

 

見た目は普通のG-SHOCKが好きですし、外装を高級にしなくて良いんです。モジュールもマルチバンド6とタフソーラーがあれば良い。圧倒的な使い勝手の良さと着け心地の良さが味わえる最高のG-SHOCKだと思います。
着けていても誰にも気づかれない忍のようなG-SHOCKは理想形です。化粧箱も他のG-SHOCKと同じですし、特別なことはありません。ただただツールウォッチとして素朴な存在。でも孤高の存在。そして、いつでもどこでも手に入る。これが結構重要で、いつでも替えがきくというのは名品である裏付けです。
はっきり言って、気づいてくれるような人とは飲みに行った方がいいレベルです。ESSENCEでシャツやデニムを選べる人ならきっとこの良さが分かってもらえると信じています。

 
 

これから長い年月を公私共に付き合っていきます。こいつと一緒に旅に出るし、出張も行くし、山を登ったりフェスも行くでしょう。夏には海に行って、花火をして、友だちと酒を飲んで、そのまま寝てしまうかもしれません。冬には吹雪に耐え、除雪を頑張るでしょう。
でもG-SHOCKだったら全ての場面を乗りこなしてくれます。

 
 
 

1週間使ったレビュー

G-SHOCK自体は使い慣れた時計ですし、ルックスも斬新なモデルを選んだわけではないので特別「これはすごい!」という感動はありませんが、装着時のフィット感は結構違いますね。
それから、半永久的に寸分の狂いもなく時刻を表示してくれることは自分の生活では結構ありがたいことなんだなと気付かされました。1〜2分ラグがある表示でも最悪iPhoneがあればどうとでもなりますけど、簡単さやスピード感で言えば反射的に確認できる腕時計の方に軍配が上がります。これが一番メリットを感じやすかったです。

 

重さについては従来の5600に比べると20gほど重くなっていますが特に気になりません。ベルトが柔らかく本体が重たくなると振り子のような重心移動も懸念していましたが、フィット感が高いのでそうした心配もありませんでした。購入を検討する際、NATOストラップに付け替えたい気持ちがあったんですが、ストラップの装着感が良いのでしばらくこのまま過ごそうと思っています。

 

所有物を厳選したい、そしてモノトーンで構成したいミニマリスト気質の方はかなり高い満足度があると思います。これ一本あれば時計としては事足ります。良くも悪くも存在感がない時計なので、いろんな洋服を着ても邪魔をしないというところもGW-5000Uの機能だと思います。モノトーンなデザインながらノーマル液晶採用により読み取りやすさもキープしてくれています。

 

改めて時計を選んで思ったことは「時刻を知る」っていうのは単純なことではあるんですが、生活する上で結構大切なことなんだなあと気付かされたことです。

 
 
 

最後に

見た目を価値基準にすると、リーズナブルなG-SHOCKでも同じ満足度を得られます。細かく色々違えど、よく似ていたら安い方に流れるのは妥当。見た目の力っていうのはそれだけ大きいということですね。

一方、目に見えない物語性や気づかれにくいディテールの差異も含めて商品価値だと捉える方にとって、これほどに深さをもつGW-5000Uは相当魅力的に映るはずです。
ただ、この価値観は多くの場合に共感されません。ごく一部の人間の価値観です。「見た目が同じなら安い方が良くない?」と言われればそれまで。私のようなタイプの人間は、目に見える氷山の一角だけでなく海面下の大きな塊にも興味があります。別に毎回そんなふうに考える必要はないと思うんですが、こと本気で選ぶものにだけはそう思って付き合うと、より一層モノへの愛着が湧くのではないかなと思っています。
G-SHOCKはトレンドで選ぶものではないので、付き合いが長くなる時計だと思ってじっくり選んでみてはいかがでしょうか。

 

最後に、G-SHOCKの偽物を買わないよう注意喚起をして終わりにします。
自分が知る限りでも大手ショッピングサイトや有名なフリマアプリでG-SHOCKの偽物を販売しているのを目にしたことがあります(現在進行系だと思いますが)。G-SHOCKは昔から偽物が作られてしまうブランドなんですが、割りと新しめのモデルなんかでも偽物が出回っていますので信頼できるお店や取引じゃない限りは購入を控えましょう。100%本物と言い切れるのは正規店での販売品だけです。
G-SHOCKに限らず「国内正規品」とは国内正規店で販売された商品のみを言います。輸入品は日本では「正規品」とは呼べないのです。

 

もちろんESSENCEは国内正規販売店です!

 
 
 

 
 
 

ESSENCE 古町でG-SHOCKフェアを開催!【2023 6.10(土)〜7.9(日)】
(好評につき6月25日までだった開催期間が7月9日まで延長になりました)

 
 
 

WRITER N

ディレクター
よく着るブランド:MARKAWARE・nonnative・NIKE
好きな音楽のジャンル:シティポップ・ダンス/エレクトロニック
好きなアニメ:エヴァ
特性:静かに面白い事を言って爆笑を取る