洋服好きなコア層に人気が高まるトラックジャケット&パンツのセットアップ 〜MARKAWAREの場合〜

洋服好きなコア層に人気が高まるトラックジャケット&パンツのセットアップ 〜MARKAWAREの場合〜

こんにちは。Nです。
先日のユニバーサルプロダクツのセットアップに続き、今回はマーカウェアのトラックジャケット&トラックパンツセットアップをご紹介します。驚くべきことにウール100%で仕上げてきたマーカウェアのトラックセットアップ。ウール100%でアプローチしてくるのは、近年マーカウェアとビズビムスポーツくらいでしょうか。

 
 
 

MARKAWARE / マーカウェア
TRUCK JACKET – PATAGONIA ORGANIC WOOL RIPSTOP
A21C-10BL01C
¥66,000

 
 

MARKAWARE / マーカウェア
TRUCK PANTS – PATAGONIA ORGANIC WOOL RIPSTOP
A21C-10PT01C
¥36,300

フライトジャケットなどのごく一部の例外を除いた全てを天然繊維で、しかもオーガニックやサステナブルの観点でものづくりをすることを信条とするマーカウェアらしい、本気の天然繊維製スポーツウェア。デザイナーの石川さんが何年も考えていたウール100%でできたスポーツウェアがようやく具現化されたのがこちらです。

 

ジャケットは裏地があり、こちらはキュプラとコットンの混紡です。キュプラは化学繊維の一つですが、再生繊維の一つでもあり、もとをたどると原料はコットンの種の周りに生える産毛なんだそうです。これを溶剤を使って溶かして繊維を作ります。ポリエステルは石油由来の完全な化学繊維ですので、その辺が異なります。

 
 
 

実際にスポーツで使うか、というとそういう方は少ないかもしれませんが、ウールがもつ本来の吸水速乾性・透湿性・防臭抗菌作用・ナチュラルストレッチ(加工)を活用し、アクティブに動けるシルエットでデザインされています。裏地のキュプラも元来、吸水透湿性のある生地です。
おそらくスポーツウェアと作ったと言っても激しい運動で推奨はしないと思います。街着のためのファスナー、ボタン使いも見て取れますし、今回のローンチはタウンユースと思ってもらうと良いです。

 
 
 

まずジャケットから。スタンドカラーに首のスピンドルを搭載。裾にもスピンドルがあってスポーティーな印象を加速させています。生地のウールはリップストップ仕様で、雰囲気はミリタリーのトレーニングウェア。
身頃の上下で生地が切り替わっていて、リップストップの角度が変わっているのがさり気ないアクセントとして機能します(この下で詳しく説明します)。

 
 
 

胸から下は水平垂直に格子が入るのに対し、胸から上は斜めになっていますね。しかも胸から上に使われる生地は肩位置に縫い目が存在しません。肩位置が無いので肩幅にかかわらず着用できますし、突っ張る感じがありません。デザイン的にはドルマンスリーブ調でモード感が高まり、スポーツウェアなんですが上品さが加わっています。

 
 
 

この切り替え位置に沿ってコンシールファスナーによる胸ポケットがあしらわれています。閉じているとほぼ何もないようなデザインになるのが良いですね。引き手が何となく分かる程度のものです。運動をする場合、体が上下に揺れるためハンドウォーマーポケットは空にしておいて、コンシールポケットにスマホや財布を入れておくと良いでしょう。
試しに入れたiPhone 12 Pro Maxはケースに入ってかなりギリギリでジップを閉じることができました。

 
 
 

一般的なスポーツウェアなら絶対に使わないririのダブルジップを使ったり、袖にはツルッとしたスナップを使ったりと、変な言い方ですけどきちんとお金がかかっています。
その分特に軽量化をしてもいないため、やはりタウンユース向きと言えるでしょう。細かなところでリッチな雰囲気が味わえます。意外とフロントジップって大切で、ririのように強い輝きがあるものを使うと一気に高級感が漂います。

 
 
 

裾には備え付けのスピンドル。このゴム紐は結構柔らかめでした。
左胸の内側にはパッチポケットを装備。小さい財布なんかはこちらで収めても良いでしょう。このご時世ですから携帯除菌スプレーやハンカチも良いかもしれません。

 
 
 

同生地のパンツはウェビングベルト付きのクライミングパンツのようなデザインです。樹脂製バックルを使ったベルトです。垂れる剣先が少し外に逃げるようにベルトループが一つ付いています。

 
 
 

このベルトの剣先、補強のためにステッチを入れるのが一般的なんですが、これはきっとブランドのイニシャルを意図的に入れたものだと思いますね。気づけないくらいに地味にこだわってます。見逃すところでした。

 
 
 

バックポケットはファスナー仕様。更にウォッチポケット(コインポケット)までありました。普通のクライミングパンツにはないポケットですね。こうして見るとマーカウェアのトラックパンツはクライミングパンツを下敷きにしながら、トラウザーパンツの要素も取り入れた折衷設計になっていることが分かります。こういった発想は他のブランドにはなかなか無くマーカウェアらしい考え方だなと感じました。

 
 
 

裾もクライミングパンツによくあるスピンドルは無くトラウザーパンツを思わせる仕上げです。やはりこれはクライミングパンツの顔をしたトラウザーズなんでしょうね。

 
 
 

トップス:MARKAWARE TRUCK JACKET – PATAGONIA ORGANIC WOOL RIPSTOP
ボトムス:MARKAWARE TRUCK PANTS – PATAGONIA ORGANIC WOOL RIPSTOP
シューズ:NIKE NIKE AIR FORCE 1 GTX
スタッフ:身長177cm、体重55kg

トラックジャケットはジャストサイズを選んでも結構大きいサイズ感ですが、逆にトラックパンツはそこまで太いものではありません。太さだけで言えばマーカウェアで定番人気のペグトップトラウザーズとそう大差ありません。スラックスと違ってプレスされていない分、生地の落ち方はスルッと下に溜まる感じで1クッション付くくらいのレングスです。思っていたよりスッキリしたスリムにも感じるほどの美シルエット。股上は浅くなくむしろ深めのため、穿き心地はとても良いです。

 
 
 

ジャケットの裾を絞るとちょうど良い丈感。サイズ2でざっくり測って着丈70cmほどで、絞らなくても全然収まりは悪くありませんが、やっぱり絞るタイプのジャケットは多少着丈が長いものを短くできるくらい余裕がある方がバランス良いですね。
シルエットは大きめです。セーターなんかも着込めるくらいはアームも太くライトアウターとしては大活躍する予感です。冬は着込めばライトアウターにもなりヘビーアウターと合わせてミドルレイヤーにしても良いですし、春秋は一枚でメインアウターとして。

 
 
 

絞ることで膨らみ感が出たり、生地のシワがキレイに艶っぽく表現されるのもこのジャケットならでは。ポリエステルやナイロンのジャケットと決定的に違うのは生地の美しさですね。リップストップとは言えウールらしい美しさが味わえ、マーカウェアらしい大人っぽいセットとなっています。

 
 
 

胸や背中の切り替えの他、身頃脇もハギを入れ上下で切り替えた仕様になっています。体に沿うフォルム形成と運動性の高さに一役買っています。

 
 
 

今回紹介したトラックジャケットとトラックパンツはオリーブグレーという色で、色の再現が結構難しいためこ若干印象違うかもしれません…。赤緑がかったグレーなんです。で、足元には同系色のオリーブベースのナイキ エア フォース 1 ゴアテックス(以下、AF1GTX)をチョイス。

 
 
 

渋めの色味なのでトーンを合わせるのが一番良いです。洋服の差し色は白オンリー。または全て同系色でまとめても良いですが、少し重たいので白を使うのがオススメです。デニムやショートパンツ合わせよりもスラックスのようにきれいめの服と合わせるのがESとしてはオススメですね。

 
 
 

AF1GTXはオリーブ、グリーン、ベージュ、ホワイトといったミリタリーカラーを使った好配色。流通量は多めのため抽選でもなく通常販売品となっていますが、普通に良い色のAF1なので普通にオススメです。
ESならマーカウェアのほか、ノンネイティブエイトンなんかとも相性良さそう。